夢を見た。
穏やかで楽しくて幸せで、ちょっぴり不思議な夢。
そこには私が最近プレイしているゲーム『ポケットモンスター ブラックホワイト』の男主人公のトウヤ君がいた。
彼が連れていたポケモンは全て私がゲームで手持ちに加えていたポケモンだった。
すりすり、と頬をすり寄せてくるその子たちはとっても可愛くてその様子を少し離れたところから見ているトウヤ君も穏やかな表情をしていた。
ああ、まるでゲームの世界にトリップしたみたい。そんな幸せな夢だった。
「名前、いくよ」
そう言ってトウヤ君は私に手を差し出した。私はその手を取って勢いよく立ち上がった。―――
はっ、と目が覚める。
ああそうだ、あれは夢だ。
ちょっと残念だな、なんて考えながらむくりと体を起こす。
「あ、あれ…?」
起き上がって周りを見るとそこは森だった。見たこともない森。
私は森にいた覚えはない。ちゃんと自分の部屋のベッドで眠りについたはずだ!
もしかしてまだ夢の中なのかもしれないと思い頬をつねってみたが痛かった。つまり、夢じゃない。これは一体どういうことなのだろうか。
「お前、なんで…!」
驚くような声。その声に反応して振り返ってみるとそこには…
「トウヤ、君…?」
彼がいた。先程夢の中で出会った彼が目の前にいるのだ。
「どうしてお前が、名前がハイリンクの森に…?」
「ハイリンクの、森…」
ここはハイリンクの森だったらしい。あれ?ハイリンクって確か、
「夢と現実を繋ぐ、場所…?」
「……それだ!だから夢で出会った名前がここにいるのか!?」
どうやらトウヤ君も夢で私に出会っていたらしい。
すると、トウヤ君の連れていたポケモンが私にすり寄ってきた。そしてその様子を見たトウヤ君は一瞬驚いたような表情をした後、穏やかに笑った。あれ、正夢?
「名前、いくよ」
そう言ってトウヤ君は私に手を差し出した。私はその手を取って勢いよく立ち上がった。
ああ、やっぱり正夢だ。
こころ、つながる
――ハイリンクの森
そこは夢と現実を繋ぐ場所。夢であったことを現実のものにするとても、とても不思議な森なのです。
----------
ハイリンクでトリップっていうのもありだと思って。
(2010/11/22)