見てしまった。瀬名の、その綺麗な、女の私が恨めしく思うつるりとした肌が、一部異常なもので覆われているのを。およそ人間についていてはいけないであろうそれ。

「覗きなんてアンタほんっと趣味悪いねぇ」

 ちがう、私はそんなつもりじゃなかった。そう思っても瀬名の細められた青い目に捕らわれて動けない、声も出せない。愉しそうに歪められた口から覗く、二股の赤く長い舌。

「ねえ、触ってみる?」

 瀬名は震え始めた私の右手をつかんで自らの胸元に持っていった。なめらかな肌との境い目、体温がひとつ低い、蛇の皮。

「…つめたい」

 アンタもっとマシな感想ないのぉ。瀬名はいつもと変わらない調子でそう言うが、だって私が綺麗だと褒めたって、あんたはきっと同じことを言うんでしょう。


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斜掛