擬人化設定

イベゼルジガの過去にあったお話です

ゼルネアス♀寄り 清実
イベルタル♂寄り 秋摘
ジガルデ♀寄り 桂子


イベゼル事情@
ちょっと昔。カロス南部にあった果樹試験場
施設が柑橘の品種改良に力を入れていた当時、1本のオレンの新品種が生まれる。果実の品質は良好で、品種名を清実(きよさね)と付けられる。しかし果実収量が少ないことが分かったため、その後世話をされることもなく試験場の片隅に放置されていた。

時は流れて、忘れられたまま妖精化した清実の樹の上空を、渡りの途中だったヒノヤコマの群れが通りすぎる。
その時、群れから遅れて力尽きた一羽のヒノヤコマが清実の元に落ちてきた。すでに人の姿をとれるようになっていた清実(オレンの樹の擬人化)はそのヒノヤコマを介抱し、回復した秋摘(あきつみ)という名前のヒノヤコマと仲良しになる。

群れとも無事合流し、カロスの各地を飛び回るようになった秋摘は、たびたび清実の元を訪れては旅の土産話をするようになった。


イベゼル事情A
ある日、いつもの通り清実の元を訪れた秋摘は異変に気付く。腕(枝)を切られ、見慣れない別の種の枝を付けられていた清実は「接ぎ木」をされたのだと言う。清実自身も知らなかった『すべての植物との接ぎ木が可能である』という、清実しか持ち得ない特性に偶然気づいた試験場の職員が、手始めにオレンと近種のオボンの枝を接ぎ木したのだと。
清実は痛みはないと話すが、清実の体を切りつけ傷つけられたと感じた秋摘は強い憤りを覚える。

ひとまずその時は普通に清実と別れた秋摘だったが、次に会った時、愕然とする。
人の姿をとった時の清実の容姿や性格が、以前とまったく違っていたのだ。『接ぎ木をされると、その枝が馴染んだ途端、妖精としての清実の性格などが接ぎ枝の影響で大きく変化する』という接ぎ木の副作用だった。
立ち振る舞いの異なる清実に困惑する秋摘は、清実の腕(枝)に新たな接ぎ木処置を見つける。


イベゼル事情B
秋摘は風やボヤを起こしたりと抵抗するも、小さな力ではどうすることもできない。
樹の外見上はオボンとの接ぎ木に拒絶反応が見られないことを確認した職員達は、以降あらゆる種類の植物を試し、そのすべてを清実は受け入れ馴染ませた。会う度に変化する清実に秋摘は神経をすり減らせ、その秋摘を見て清実も心を痛めていたが、施設では清実の結果を喜び、さらに接ぎ木実験を進める。
「もう秋君の知らない自分になりたくない」と吐露する清実に、今度こそ守ると誓う秋摘だが、冬の渡りの季節が迫っていた。職員達を清実に近づけないように古木を倒して森を封鎖した秋摘は、後ろ髪を引かれる思いで清実の元を飛び立つ。

春になり、急いで清実の元に駆けつけた秋摘が見たのは、他のすべての果樹も切り倒し拓かれた試験場の森と、「今後はすべての労力を品種名清実に投資する」という施設の方針、そして包帯の巻かれた腕を抱いて清実の樹に佇む見知らぬ少女だった。


イベゼル事情C
硬直する秋摘に新しい姿の清実は誰かと問いかける。接ぎ枝が増えすぎた影響で記憶が混乱していた清実(元の記憶はちゃんとある)に問われ、糸が切れた秋摘は、怒りに任せて試験場と施設を吹き飛ばし焼き払う。さらに避難しようと逃げ出した職員達も襲おうとしたが、ようやく記憶が落ち着いた清実が職員達を庇う。
裏切られたと感じ逆上した秋摘は、感情のまま清実も攻撃した。右脚(樹の右側の根)を切り飛ばされ、清実は意識を失って倒れる。

やがて我に返った秋摘。目の前に広がるのは建物も何もないまっさらな焼け野原と、黒く焼け焦げ、地面ごと根をえぐられた清実の樹。清実を自ら傷つけたことに絶望しきった秋摘は進化を迎えるが、その姿はファイアローではなく、青い瞳、黒と赤の大きな翼に鋭い爪を備えた鳥だった。イベルタルへと変容した秋摘は、ここにはいられないと泣きながら北の空、フロストケイブへ飛んでいく。


イベゼル事情D
終の洞窟で南部に異変を感じたカロス地主の桂子(けいこ、ジガルデ♀)は、すぐさまカロス果樹試験場に向かう。
元来の強い生命力のおかげで、重傷ながらも一命を取り留めた清実。目を覚ました清実は、変わり果てた地と秋摘がいないことにショックを受ける。自分のせいで秋摘を傷つけ悲しませたと感じた清実もまた、オレンの樹から輝く枝を携えた青いポケモンへと、泣きながら変容した。
必死に避難する職員達を逃しつつ駆けつけた桂子は、焼け野原の中央にうずくまるゼルネアスを発見する。ゼルネアスへと変化し、桂子に事情を話した清実は、もうこの土地に人間が入らないように、その能力で周辺に新しい木々を伸ばす。桂子も手伝い、野原を森で閉ざした清実は心も閉ざしてしまい、その後数十年森の中心で静かに佇んでいた。

現在のカロス南部、エイセツシティとポケモンの村の間の広大な森が生まれたお話。


イベゼル事情E
清実の元を去りフロストケイブに降り立った秋摘もまた、誰にも会わずに洞窟奥で長い間悲しみに暮れる(フロストケイブの主のユキノオーはすごく迷惑がってる)。

清実と秋摘が離れ離れになってから数十年。
洞窟の奥、誰も近寄らなかった秋摘の元に悪タイプの擬人達が現れる。太古に悪アルセウスを首領として世界を支配しようとし失敗した悪軍が、カロスを手始めに再び侵略を始めたものだった。来訪者は秋摘に今も南の森に存在し続ける青い樹のことを吹き込み、清実の記憶を引きずり出す。来訪者の狙い通り秋摘は取り乱し、悪タイプに力を与える、カロス全体を覆う規模の負のオーラを放ち始めた。
終の洞窟に住まう桂子は、カロスの北の地より広がるオーラに気づく。フロストケイブに潜む存在を知る桂子はカロスの危機を察知し、自らの力だけでは不足と判断して、遠くエンジュにあるスズの塔の行政本部に連絡して、事態の解決を依頼する。


イベゼル事情F
スズの塔から派遣されてカロスに着いたハルカ(ギャロップ♂)ら和菓子屋組は依頼主の桂子と合流するが、桂子が案内したのはフロストケイブではなく、南部の閉じた森だった。
数十年間人を拒絶していた森は桂子と和菓子屋組を受け入れる。森の中央に辿り着いた一行は、さまざまな種類の葉が混じる大きな樹と、その元に立つ片脚のない少女に出会う。
数十年間変わらない姿の清実は、一行からカロスに起こっている危機を聞くと、桂子と秋摘との過去の関係を話し、「秋君を救うため」と、長い間動かなかった森を後にして一行とともにフロストケイブを目指す。

〜ここから道中の悪軍からの攻撃とか〜
〜援軍(しんぼらーず、アブソル♀とケルディオ♂の見習い聖剣士ペア、ダークライ♀)がカロスに集まるまでの話〜
〜何やかんやで皆集結してフロストケイブ頂上・秋摘を捕らえている悪軍との最終決戦〜


イベゼル事情G
カロス危機編・最終決戦
・和菓子屋組が秋摘を奪還。解放され、清実とともに悪軍と戦おうとする秋摘を、悪軍が支配する清実の腕達(接ぎ木するたびに切り取られていた清実の枝を本体とするゼルネアスもどき)が包囲する。トラウマを暴かれて過去の記憶に屈しかける秋摘に、今の私を見て欲しいと清実が声をかけ、秋摘は立ち直る。
・清実と秋摘のタッグバトル。ジオコントロールとデスウイング。清実の援護によって虹色の羽が広がるデスウイングが発動する。飛行に加えてフェアリーの技タイプを得たデスウイングが悪軍を撃退して集結した。

終わりに。お互いにずっと大切に想っていた清実・秋摘は仲直りし、恋人同士となって終の洞窟の桂子の店に居候する。
その後、一番最初に接ぎ木した時に切られた清実の腕が、スズの塔の庭に挿し木として移植されていることをスズの塔の主である餡蜜(ホウオウ♀)から教えられた2人はエンジュを訪れ、本来の清実と再会を果たした。



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