スイクン♀寄り トルテ
「はぁ〜い、返却の本ならそこに置いといてね〜」
「うーん、オススメの本ね〜…そうね、これは？
この絵本『金の蔦で編んだ舟』っていう題名でね、
男の子がお母さんに星の欠片をあげるために
相棒のブイゼルと一緒に金色の小舟に乗って
はるか遠くの海に旅に出るっていう素敵なお話よ！
ブイゼルと力を合わせて頑張る姿がとっても
可愛くてでも切なくて読んでてすごくあたたかい
気持ちになる名作よ！オススメ！！あ、なら
こちらの小説は？ルネを舞台にした男女の悲恋だけど
とっても細かい心理描写にすごく引き込まれて…
あら、もういいの？残念ねぇ…遠慮しないでね？
オススメの本ならいつでも紹介するからね〜」
わたし/あなた/あの方
エンジュのスズの塔に併設する大図書館の首席司書
いつもはのんびりとした口調の痩身の女性だが、
本に対する愛情は誰にも負けない真性本の虫
膨大な量の所管図書のほぼすべてを把握している
うっかりオススメの本なんて訊いてしまえば、
その愛の深さゆえに喋り出したら早口が止まらない
スズの塔の職員で、餡蜜(ホウオウ♀寄り)には
ずいぶん昔に忠誠を誓った主人と配下の関係
付き合いの長さから扱いもぞんざいで、
しょっちゅう不法にお給料を減らされるが、
大好きな本があれば全然それでいいらしい
腰にかけている鍵は、大図書館の地下に伸びる
「知識の海」と呼ばれる古文書を納めた書庫の鍵