我らが解説王に捧ぐ



噂をすれば影とはよく言ったもので。ゆっくりと開いた扉の向こうには、本日の主役がどこか気まずそうに立ちつくしていた。白を切る仲間たちのぎこちない態度に苦笑する。食屍鬼街のどこからかき集めたのであろう。テーブルには普段より良い酒やつまみが置いてある。
仲間たちの粋な計らいをぶち壊してしまった感は否めないが、自分も空気を読んで知らないふりをしていた方がいいだろう。ほどほどにしろよ、と男は踵を返し自室へと向かう。
「俺に内緒でコソコソしていると思ってはいたが、こんなことしていたとはなァ…」
若干潤んだ眼をごまかしつつ、スピードワゴンはクールに去るのだった。

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