「ツェッドさん、お昼食べに行きましょう。」

そうですね、と返事をくれたツェッドさんと何処へ行こうか考える。いつも行くダイアンズダイナーも良いけど、今日は気分を変えてみようかな。

「ツェッドさん、行ってみたい所があるんですけど。」
「良いですよ、何処ですか?」
「最近知ったお店で、アルヴェアーレっていうんです。」

もう3回目になれば迷うこともなくアルヴェアーレに着いた。ツェッドさんが一緒でも特に何も言われることなく、奥のレストランへ進むとランチ時ということもあって賑わっていた。

前からこのレストランが気になってたんだよね。どんなメニューがあるんだろう。

ソファー席に案内され、ツェッドさんとメニューを見て悩んだけど、結局いつもと変わりなくバーガーを注文してしまった。食べ比べをしてみよう。決して他のメニューの値段が高くて渋ったとかそんなんじゃない。……と言い張っておこう。

チャイナドレスを着たウエイトレスが二人分のバーガーを運んで来てくれた。
お腹が鳴るのと同時に思いっきり齧り付いた。
ふわふわのバンズにシャキシャキレタス、ほんのり甘いジューシーなパテがよくマッチしていてとても美味しかった。

「美味しいですね。」
「ですね!」

ツェッドさんも気に入ったようだ。
一緒に注文したコーラを飲むと前回と同じようにほんのり甘かった。バーガーといい、コーラといい、甘いのはやはり蜂蜜が入っているんだろうか。美味しいけど、通いすぎると太りそうだな、これ。

「今日は面白い仲間を連れているな。」

楽しくランチをしていた所に現れたその声に俺は固まった。

「ろ、ロニーさん……。」

別に何をされたわけではないのに謝り倒したくなるこの人の雰囲気は何なんだろうか。こないだ俺がaさんとの仲を疑うようなことをしたからそう感じるだけなんだろうか。ツェッドさんも俺の様子に疑問を持っているようで、どうせなら此処に来る前にこの人のことを説明しておくべきだったかもしれない。
でもロニーさんが今回興味を示したのは俺じゃなかった。

「ふむ……人間と魚の交配種か。」
「えっ、どうしてそれを……!」

自分のことを言い当てられたツェッドさんは思わず声を出していた。いつもは異界人と間違われるし、こんな的確に当てれる人間なんて見たことない。この人ほんと何者なんだ。

「aが喜びそうだな。」

呟かれた言葉に首を傾げると、噂をすればなんとやら、aさんがやってきた。

「あら、レオくんいらっしゃい。今日はお友達と一緒なのね。」

にっこり微笑む彼女にロニーさんがツェッドさんのことを告げると、aさんは目の色が変わった。

「貴方、異界人じゃないの?今まで見たことないタイプだわ…!触れても良い?」

聞くのとほぼ同時にaさんはツェッドさんの腕をぺたぺたと触り始めた。「この質感……細胞が……配合を……」と何かぶつぶつと呟いてる彼女は今までに見たことないくらい興奮しているようだった。ツェッドさんも戸惑いつつも触れられて照れてもいるようだ。aさん美人だからな、仕方ない。
……ここにザップさんがいなくて良かった。軽くあしらわれて相手にされていないザップさんの前で、aさんからツェッドさんにべたべたくっついてる姿を見せられたら……喧嘩が始まるのが目に見えている。
ロニーさんも今のところは傍観しているだけで、何か言ってくる気配もない。でもまた独占欲を出されても怖い。aさんから触れる分には気にならなければ良いんだけど……。

「あっ、ごめんなさい。つい昔の癖が出てしまって……。」

そう言うとaさんはツェッドさんから少し離れた。
昔の癖って何だろう?昔いったい何をしてたんだろうか。

「ホムンクルスはいっぱい見てきたつもりだけど、貴方みたいなタイプは珍しかったから……。」
「えっ、ホムンクルスに会ったことがあるんですか?」
「今度紹介するわね。きっとあの子も貴方と話がしてみたいと思うはずよ。」
「是非お願いします……!」

ツェッドさんは嬉しそうだった。今まで自分以外の造られた存在に出会ったことがなちんだ、当然だろう。それにしてもホムンクルスの知り合いが何人もいるってaさん何者……。
aさんの謎が増えただけの一日だった。




20161120


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