ガンドールファミリーはなかなかに居心地が良い。裏稼業の割にボス達も良い人だし(寧ろラックさんは向いてないくらいだ)、最初は女だからとナメていた奴らも私の銃の実力を知れば信頼してくれるようになった。
なのに、だ。今更ちょっと困った事が出来てしまった。

「なぁ、a。一緒に飯でも食いに行かないか?なぁに、ラックには上手く言っといてやるさ。」

それはこの男、クレア・スタンフィールドに付き纏われている事だ。
以前ボスに会いにこの事務所に来たクレアと偶然にも遭遇してしまった。その時に何故かプロポーズをされたのだが……勿論断った。
なのにこの男はしつこく声を掛けて来る。ボス達の幼なじみだと言うから最初はそれなりの対応をしていたが、最早面倒臭くてスルーしている。

「aさんが迷惑そうですよ。」

私の対応にボスも何も言わないので良しとしている。

「なんだ、ラック。aが照れてるのがわからないのか。」

……照れてない。
自分の良いように解釈するのはやめていただきたい。

「だいたいラックもこんな素敵な女性がファミリーの一員になってたんなら、さっさと教えてくれたらいいじゃないか。」
「こうなる事がわかってましたからね。」

こう、って……プロポーズの事だろう。この男はすぐプロポーズをするのだとベルガさんから聞いた。

「さあa、行こうか。」

そう言って馴れ馴れしく私の腰に手を回してきたので、愛用の銃を取り出し、クレアに向けて引き金を引いた。
はずだった。
その一瞬のうちに銃をクレアに掴まれ、銃口を反らされたのだ。

……腹が立つ。

まあそう簡単に葡萄酒と呼ばれるこの男が撃たれるとは思っていなかったのだけど、そう簡単に防がれては私の信用もがた落ちだ。腰に回された手もそのままだった。

「……aさん、壁に穴が空くからやめてください。」
「……すみません。」

怒られてしまった……。
もう全部この男のせいにしておこう。

でも、まあ。









20121012
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