私には彼氏がいます。目が赤くて歯がギザギザしてて、見た目が変わってて最初はびっくりしたけどいい人です。
今いい『人』って言ったけど、彼は人間じゃないみたい。ホムンクルスだって本人が言ってたけど、私にはよくわからない。ただ、不老な彼とは違って私だけは老いていくのかと思うと…………ううん、考えるのはやめましょう。今貴方と一緒にいれる事が幸せ。今が大切なのです。
それなのに……これはどういう事なのでしょうか。目の前には彼の背中。彼の目の前には金髪の綺麗な女の人。
「そこを退け。私の邪魔をする気か!」
「退けるわけないじゃない。僕が退いたらシックルはaを殺すだろ?」
「……そういう命令だ。」
会話をしているようだけど、私には聞こえません。ううん、聞こえてはいるんだけど脳が理解しようとしていません。だって私は違うことで頭がいっぱいだから。
本当は彼は私のことを好きじゃなかったのかしら。本当は遊びだったのかしら。本当はあの綺麗な金髪の女の人が好きなんじゃ寧ろもう付き合ってて二股で勿論私は遊びで本命は向こうで私はもう捨てられ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だよ。
「第一お前なんかと付き合ってたら碌な目に合わないんじゃないのか?……現にソイツ泣いてるぞ。」
「えっ!?a、大丈夫だから!僕が守るから泣かないで、ね?」
珍しく慌てて頬を撫でてくる彼の言葉で私は泣いてることに気が付きました。涙で滲んでよく見えない彼を見て、余計不安になりました。
「クリスぅ……私のことは遊びだったの……?」
「えっ?」
「本命はその女の人なんでしょうわあぁぁぁぁぁぁん!!!」
その場にしゃがみ込んで子供みたいに泣き叫んでしまいました。自分で言うのもなんですが、こうなったら誰にも止められません。クリス以外は。
「コイツ……今までの会話聞いてなかったのか…?」
「相変わらず面白い思考回路してるね、aは。」
「……馬鹿なだけだろ。」
「a、大丈夫だよ。僕が好きなのはaだけだから。」
「ホントに……?」
クリスがぎゅーっと抱きしめてくれました。ただそれだけで安心してしまいます。凄いです、不思議です。皆もクリスにぎゅーっとしてもらったらわかると思います、ああでもやっぱダメです。クリスがぎゅーっとしても良いのは私だけです。他の人にしてるのなんて考えただけでも頭がおかしくなりそう。
「お前ら……私の存在を忘れてるだろう。」
「あは、帰って良いよ、シックル。」
恋は盲目!
20090314
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