彼女の家を訪ねるとパソコンに向かってひたすら何かを打ち続けていた。朝8時をまわったというのに机の電気スタンドが光っているのは昨日の夜からずっとそのままだったんだろう。

「やぁ、a。相変わらずだね。元気そうで何より。」
「んークリス?元気なんかじゃないわよ……。」

視線は画面を見つめたまま、キーボード叩く指もそのままで、声だけが僕に向けられた。

「ヒューイのヤツが雑用押し付けやがって!しかも期限付き!おかげで2日連続徹夜だっつーの!もう眠くて眠くて……。」

カタカタとキーボードを鳴らしながら彼女は愚痴を漏らした。本当に眠たいんだろう。少し頭がふらふらしている気がする。

「ねぇ、a。それ後どのくらいで終わる?」
「あと、ちょっと……。」
「そういえばシックルもaに会いたがってたよ。」
「うん……。」
「だからたまにはaが会いに来てくれても良いんじゃない?」
「うん……。」
「それ終わったら朝ご飯食べる?」
「うん……。」
「それとも真っ先に寝ちゃうかい?」
「うん……。」

眠たいからなのか、集中しているからなのか、恐らく話を聞いていないだろう単調な返事しか返って来なくなった。ちょっと寂しくなって来たので悪戯をしてみようと思う。

「僕の事、好き?」
「うん…………ん?!」

耳まで真っ赤にしてやっと僕の方を見てくれた。

「えっ……ちょっ、違っ……いや、違う事はないけど……!ちょっと待って!」

混乱している彼女を見ながら、満足した僕は満面の笑みを浮かべて言った。

「僕もaが好きだよ。」
「えっ……?」
「さぁ、今日は僕が一緒に寝てあげよう。」

彼女を抱き上げると、ひゃあなんて可愛い悲鳴を上げた。彼女はとても軽くてちゃんと食べてるんだろうかと少し心配になった。腰のラインとか凄く細くてすぐに折れてしまいそうだ。

「クリス……手がいやらしい。」
「ああ、ごめんごめん。」

腰を撫でてると怒られてしまった。でも顔を真っ赤にしたままじゃ全然迫力なんてないよ。僕も笑って言ったから全然反省してないのが伝わってるだろうけど。

今日は本当に眠そうだから君の肌に直接触れるのは次の機会にしよう。でもaの温もりを感じていたいから、一緒にベッドに入るのは許してくれるかな。




君が眠るまで




20090512
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