何時もグラハムの舎弟くん達がいっぱい居るこの廃倉庫。どういうわけか今日は誰も居ない。私とグラハムだけ。
これは……チャンスかもしれない。だってグラハムってば付き合ってるのに未だキスの一つもしてくれない!いや別に長年付き合ってるわけじゃないけど、何処かの誰かさんみたいに10年経ってからとかじゃ嫌だし!今日こそグラハムを襲……じゃない、グラハムとキスするんだから!
「ねぇ、グラハム。」
「何だ、a?」
丁度車一台解体し終えた所だったようで、話をする良いタイミングだった。でも私が何かを言う前にグラハムの長い話が先に始まってしまった。
「名前とは良いものだな!aに名前を呼ばれるだけで、aの名前を呼ぶだけで、こんなにもどきどきする!ああaが好きだ!こんなに好きで良いのだろうか!でもaも俺と同じ位俺の事を好きでいてくれてるのだろうか?!ああ……不安になってきた……。本人が目の前に居るのでストレートに聞こうと思う。a、俺はaの事が大好きだが、aは俺の事を好きか?!」
「あ、当たり前じゃない。」
急に話を振られ、思わず吃ってしまった。
「……では、もっとどきどきする事をしようと思う。」
「へ?……ひゃあ!」
ふいに腕を引かれ、グラハムが解体した車のシートの上に彼共々向かい合うように倒れ込んだ。傍から見れば、私が押し倒したようにも見えるかもしれない。
「a。」
「は、はいっ……!」
何時もと返事の仕方が違うのは致し方ないと思う。グラハムの思惑通り、どきどきしまくってるのだ。さっき迄の威勢は何処行ったって?だって!仕方ないじゃない!実は……ファーストキスもまだなシャイガールなんだから!
腰に手を回され、身動き出来ないようにされてしまった。どうしてもグラハムの胸に顔を埋める形になってしまい、きっと顔が赤くなっているんだろうけど、それも彼からは確認出来ないだろうから丁度良かった。でも彼の手が私の頬に触れて来て、それでは赤さはわからなくても熱は伝わってしまうのではないのだろうかと心配になった。
「a。」
もう一度名前を呼ばれ、頬を触れていた手で顔を上げさせられ、グラハムと目が合った。今までにないくらい彼の顔が近くにあって、胸の鼓動が早くなる。ホント、黙ってればかっこいいんだから……。
彼の指が私の頬を撫でたかと思うと、グラハムの顔が近付いて来て、唇が触れた。
「っ……!」
まさかの念願のグラハムとのキスだけど、やっぱり恥ずかしくて。
「グラハっ……!」
名前を呼ぼうとした唇の隙間から舌が侵入して来た。初めての感覚に頭がくらくらして来て、わけがわからなくなって、気が付けばグラハムの青い作業着をきゅっと握り締めていた。
漸く唇が離れた頃には私は酸素が足りなくなって来ていて、それを吸うのに必死になってしまっていた。何も言わない私に、正しくは何かを言う余裕のない私に、グラハムは不安になったのか問うて来た。
「嫌、だったか……?」
私は首を振る事でそれを否定した。だって言えるわけないじゃない。……その、もっとして欲しい、とか……。
「じゃあもっとaに触れても良いか?」
そう言うと彼は頬に額に髪に、キスを落として来た。
「ひゃぁっ!」
耳を甘噛みされ、思わず変な声が出て恥ずかしかった。でもグラハムはそれが嬉しかったみたいで、
「a、可愛い。」
と耳元で囁かれた。そんな言葉今まで言われた事が無くて、胸が苦しくなる。更にグラハムは首筋に唇を落とし、ワンピースの裾に手を伸ばして来た。ゆっくりと太股を伝う彼の手に、どきどきし過ぎて頭がついてつかない。このまま流されて良いの、かな。意を決して彼のものにしてもらおうと思った瞬間、声が響いた。
「グラハムさーん!戻りまし……あ。」
何処に行っていたのか、グラハムの舎弟のシャフトくんが帰ってきた。状況を察したシャフトくんは一瞬で顔面蒼白になった。
「すすすすみません!邪魔するつもりじゃ……!」
「シャフトー?お前はどうやら死にたいらしいなぁ?」
「うわあぁぁああぁぁぁっ!!」
グラハムは隣に置いていたレンチをシャフトくんに向かって投げ付けた。変な音が聞こえた気がしたけど、シャフトくんの安否なんか気にしてられなかった。恥ずかしさのあまり両手で顔を覆い、目さえ閉じでいたのだから。
だからこの胸元の赤い痕に気が付くのも、もっと後の話。
それでも甘い蜜は毒薬のように私の体を蝕んだ
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5000hitキリリクのグラハム夢。ゆきさまリクエスト有難うございました!
20090817
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