私は最低な女です。
彼氏がいるというのに、最近他の男の人も気になるのです……。今の彼氏に不満があるというわけではありません。彼を愛しいと思う気持ちに変わりがあるわけでもありません。それなのに……どうして他の男の人を好きだと思ってしまうのでしょう……。

その気になる彼は私の働いているカフェによく来てくれるんです。


からんという音と共に店の扉が開いて私は現実に戻された。

「いらっしゃいませ。」
「こんにちは、aさん。」
「シャフトさん!」

ああ彼の事を考えてたらその彼に会えるなんて……!ええそうなんです、彼が、シャフトさんが私の気になる人なのです。彼の笑顔を見るだけで胸が締め付けられるのです。

「いつもの紅茶で良いですか?」
「はい。あとスコーンをお願いします。」
「はい、かしこまりました。」

彼の好きな紅茶とチョコレートのスコーンを温めて、ああそうだ、あれも食べてもらおう。
彼が居るだけで自然と笑みがこぼれた。

彼のテーブルにティーセットとスコーンのお皿を並べた。

「もし宜しければ試作品なんですけどこれも食べてみてくれませんか?いつも来て頂いているシャフトさんに食べて欲しくて……。」

そう言って私はオレンジのスコーンを差し出した。

「良いんですか?有難うございます。」

嬉しそうに頬張る彼の姿を見て、私も嬉しくなりました。「美味しいです。」なんて貴方に言われてメニューにする事を決めてしまった私が居た。

そこへ再び扉が開き、よく知った人物が姿をあらわした。

「a。」
「あっ……此処に来るなんて珍しいじゃない。」
「たまにはaが入れた紅茶でも飲もうかと思ってな。」

そう言って笑ったのは今付き合っている私の彼氏です。滅多に私の店には来ないのに……どうしたのでしょう?しかもシャフトさんが居るこのタイミングで……。私は内心一人で焦りました。この気持ちを誰にも言ってはいないのですが、責められてるような気になりました。



*



最近俺の彼女が悩んでいるのを知っている。彼女は俺に気付かれていないと思っているようだが、俺は…………こんな話し方はらしくないですね。いつも通りに戻すとしましょう。
私は彼女が何を思い悩んでいるのかわかっています。付き合っている彼氏が居ながら、シャフトという個体をも好きになってしまったからです。私としてはこの彼氏を振って、シャフトと付き合って頂いても構いません。私には、aという彼女と付き合う事に何ら変わりはないのですから……。

ただ……この彼氏の個体と、シャフトという個体両方を彼女が好きになったのは、シャムという私自身を好きになってもらえたようで嬉しく思ったのは私の中に留めておく事にします。









20090529
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