突然の夕立に出くわしてしまった俺とaは慌てて近い家、俺の家に逃げ込んだ。
頭から靴までぐっしょり濡れてて気持ち悪い。あーあ、俺の大切な帽子も絞れそうな位水を含んでやがる……。

「a、シャワー浴びてこいよ。」
「いやん、フィーロってば大胆なんだから!」
「おおおお前なぁ……!」
「ヤだなぁ、フィーロ。冗談じゃんか。」

こういう時にそういう冗談言うなよな!濡れた髪が色っぽいし、服も濡れて体のラインがくっきりと……ってああ俺何処見てんだよ!!

一人心の中で叫んでる間にaは笑いながらバスルームへと向かった。

「……はぁ。」

溜息をついて一呼吸おくと、取り敢えず着替える事にした。
ズボンを穿き変えて、上着は脱いで……まぁ良っか、着なくて。後で俺もシャワー浴びるつもりだし。うっわ、帽子被ってたのに髪の毛が湿っぽい!取り敢えずバスタオルで拭いておく事にする。
すぐaも出て来るだろうから、温かいコーヒーでも煎れておくか。一足先にコーヒーを飲むと、ちょうど良い事にバスルームの扉が開いてaが出て来た。

「フィーロ!」
「ぶはっ!」

思わずコーヒーを噴き出した。汚いのは謝る、でも不可抗力だ。aが悪い。だって、その……裸にバスタオル一枚巻いた恰好で出て来るから……!

「なななな何だよその恰好!」
「だって服濡れてるから着る物ないもん。」

気が回らなかった俺も悪いけど、それはないだろ!
慌ててaが着れそうな服を出して渡した。勿論、aを見ないようにして。
服を受け取ったaがにやーっと嫌な笑いをしたのを感じた。

「フィーロってば何照れてんのぉ?」
「普通は照れるだろ!」
「でもフィーロだって上半身裸じゃんか。」
「俺は男だから良いんだ!」

aがずいっと俺に近付いて来た。ちょ、おま、色々見えそうだから動くなって!

「……でもさぁ、今この状況を他の人が見たら絶対勘違いするよねぇ?」
「……!」

た、確かに!いや、aとの関係を勘違いされるのが嫌だとかいうわけじゃ全くない。ただ、やっぱりこの状況を見られるのは何かとヤバイと思う……!
だ、大丈夫だ!玄関の鍵はちゃんと閉めてるから誰も入って来れないはずだ!

……大丈夫なはずだったのに……扉が開いて人が入って来た。玄関ではなく、家の中の一室からだ。そいつと目が合って頭が真っ白になったのはお互い様だろう。

「…………。」
「…………。」
「チェスくん!」

入って来た人物、チェスは引き攣らせた笑顔で言った。

「……邪魔みたいだから僕マイザーの家にでも行って来るよ。」
「ちょ、チェス!」
「チェスくん気が利くぅ〜!」

悪乗りしたaが俺に抱き着いて来た。ホント、本当にそれはヤバイからっ!!あっ!チェスのやつ、本当に出て行きやがった!

「a……ふざけんなって。も、マジで離れてくれ……。」

何処に触ったら良いのかわからなくて無理矢理引き離す事も出来やしねぇ……!

「……ふざけてなんかないよ。」
「えっ?」

そう言ってちゅうっと彼女に唇を塞がれた。









20090602
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