「ねぇフィーロ、知ってる?星が消えるのは誰かの命も消えたって事なんだよ。」
俺の手を握るaが急に立ち止まり、夜空を見上げて何を言うかと思えば……。
「迷信だろ?」
「かもね。でもそうじゃなかったとしたら、不死者の星はずっと瞬いたままなのかしら?」
彼女の話は独特だ。聞いていて飽きないが、たまに答えに困る事がある。しかもこの話は『もしも』の話だ。
かもな、とぼんやりとした返答しか出来なかったが、彼女はそれで満足なのか、そのまま話続けた。
「フィーロ、私の星はあれがいい!」
「……それ、星かぁ?」
彼女が嬉しそうに指を指したのは月だった。
「星でしょ?近いか遠いかの違いじゃん?」
「んー……そうか、?」
よくわからないが納得させられそうだ。
「フィーロは地球ね!」
最早話が変わって来てる気がする。
でも彼女は相変わらず楽しそうに話続けるので、ツッコミは心の中だけに留めておく事にする。
「月は地球の側を離れないのよ。ほら、私とフィーロみたい!」
ぎゅうっと俺の腕にしがみついて来た彼女に顔が熱くなった。
「私、フィーロから離れないからね。」
「a……、」
俺も。と呟いた言葉は彼女に聞こえただろうか。情けないが、aのようにはっきりと言葉にするのは照れる。地球と月のようにずっと一緒に居られたら……。離れたくないのは、離れられないのは、俺の方なんだ。
離れられないのは、月じゃなくて地球かもしれない
20090627
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