高所恐怖症。暗所恐怖症。閉所恐怖症。尖端恐怖症。騒音過敏症。対人恐怖症。エトセトラエトセトラ。
幼なじみの彼女は何と言うか……苦手なモノが多過ぎる。
「今更だけどよ……お前よくそんなんで生きてこれたな。」
机の影に隠れたまま俺にしがみつく彼女に言った。
転がるいくつかの死体。机も銃痕だらけで俺の服にも穴が空いた。
「だだだだだだって……!」
震える手で俺の服を掴む彼女は何とか無事だった。まあ彼女も不死者だから死ぬ事もないが。
彼女は銃を向けられても悲鳴を上げないが、ナイフの先端を向けられたら悲鳴を上げたり、死体を見ても何ともないくせに、祝砲を撃つだけで怯えて俺にしがみついて来る。肝が据わってるんだか据わってないんだかよくわからない彼女は、取り敢えず……裏の人間には向いてないと思う。そんな彼女がマルティージョ・ファミリーやガンドール・ファミリーに出入りしてしまうのは、やっぱり俺達のせいなんだろう。
「お前やっぱこういう所には顔出すなよ。」
「だだだだだだって……!」
まだ銃声に怯えているのか、再びかなり吃った言葉で彼女は抗議した。
「わ、私が来ないと、なかなか、あ会えないじゃんっ……。」
確かに忙しいとなかなか会えないからなー……。だからとはいえ、彼女を危険な目には合わせたくない。例え不死者でも、だ。
「電話するからさ。ほら、電話の方がキースは喋るぞ?」
「確かにそうだけど……。」
大分落ち着いて来た彼女は俺の目を見て言った。対人恐怖症の彼女が目を見て喋れるのは俺とクレアとガンドール兄弟の幼なじみだけだ。もう少し交友関係を広げてくれたら、と思うんだけど……。
「フィーロ!わ、私はフィーロに会いたいの!」
彼女の急な発言に俺の思考回路はストップした。
「危なくなったらフィーロが守ってくれるでしょ……?何時もフィーロが守ってくれるからほら、私まだ一回も死んだ事ないよ!」
……普通は一回死んだらもう終わりだっつーの……。
「ね、良いでしょ……?」
頬を染めて言う彼女が何時も以上にその、可愛く見えた。
「あー…………うん……。」
つい頷いてしまったのはやっぱり惚れた弱みだろうか。
守ってやるからそばを離れるなよ、なんてやっぱり恥ずかしくて言えねぇなぁ……。
怖がりな彼女と奥手な彼氏の恋愛事情
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20090614〜20090713
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