いつものようにアルヴェアーレを訪れるとロニーさんが座って居た。
誰かを待っているようなその姿を見て、俺はポケットに入っている物を思い出した。
「フィーロ、どうした?」
「これ、昨日aにアルヴェアーレにロニーさんが居たら渡して欲しいって頼まれたんですけど……。」
ポケットから取り出した手紙を、ロニーさんに手渡した。
悪いかなと思いつつ、気になったので手紙を広げるロニーさんの後ろからつい覗き込んでしまった。
『親愛なるロニーさま。
貴方がこれを読んでいるという事は、私は今そこには居ないのでしょうね。約束を守れない私を許して下さい。もしまた笑って会えるなら、好きだと言って抱きしめて欲しいです。』
「ロニーさん、これって……!」
意味深な手紙に彼女の身に何かあったのではないかと心配になった。だがロニーさんは少し眉をしかめただけで何も言わなかった。
「ロニーさん、どうするんですか?!」
「放っておけ。」
「放っとけって……!もしかしたらaの身に何かあったかもしれませんよ?!」
恋人の身が心配ではないのだろうか。ロニーさんがそんな薄情な人間ではないとは思うけど、放っておけとはどういう事だろう。
「勘違いするな。aの身に何かあったわけではない。」
「……わかるんですか?」
「よくある事だ。」
よくあるとはどういう事だろう?疑問に思っているとロニーさんの視線が俺から少し外れた。
「遅かったな、a。」
ロニーさんの視線を追うように後ろを振り返ると、そこには俺が心配しているaが苦笑いを浮かべて立って居た。
「ロニー、ごめん!」
「全くだ。」
「えっ?えっ?」
目の前で手を合わせ謝るaを見ながら、俺は更にわけがわからなくなった。疑問符を浮かべる俺を見て、ロニーさんは説明してくれた。
「あの手紙は遅刻して来るっていう意味だ。」
「はぁ?!」
そういえばaは遅刻魔で、大概の約束には遅れて来ていた。それに対してロニーさんが注意しているのをよく見たけど……。言われてみれば、そうとも取れる内容の手紙だった。
よくよく話を聞いてみると、遅刻魔のaは今日の待ち合わせの時間に間に合う自信がなかった為、昨日俺に手紙を託したらしい。俺がアルヴェアーレに行く頃にまだロニーさんが居れば待ちぼうけをくらっている事だったらしい。……ややこしい手紙書くなよな。
「ごめんねロニー、怒らないで。笑って、ね?」
「…………。」
怒っているのか言葉にならないのか、ロニーさんは溜息をついた。
「好きだと言って抱きしめて欲しい……だったか?」
「許してくれるの?!」
先程迄の苦笑いとは違い、aは花が咲いたような笑顔を見せた。
「……許してやっても良いぞ?」
対してロニーさんは何処か黒い笑みを浮かべ、右手はaの頬に触れ、左手は腰に回した。
「んっ……!?」
俺の目の前で繰り広げられたのは、深い、深いキス……って俺も居るんだから遠慮しろよな!
唇を離したロニーさんはそれはもう楽しそうに口角を上げて言った。
「好きだ、a。」
「っ……!ば、馬鹿!」
aは耳まで真っ赤にして言った。
あーはいはい、ごちそうさま。余所でやってくれ。
……絶対俺も顔真っ赤だ。
拝啓、最愛なる悪魔さま。
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3333hitキリリクのロニー夢。梦月さまリクエスト有難うございました!
20090710
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