「え、aさんはロニーさんにあげないんですか?」
驚いたように言ったのはエニスだった。
「エニスはフィーロにあげるのね。」
そう言うとエニスは頬を染めて頷いた。
今日は2月14日、バレンタインデー。エニスとあげるあげないの話をしていたのは、勿論チョコレート。バレンタインデーにチョコレートをあげるなんて日本に来て初めて知ったし、ロニーとはもう数百年も付き合っているので今更、という気持ちもあったのだ。……別に良い、よね……?
「期待してたんだが。それは残念だな。」
「ろ、ロニー!?」
いつの間に現れたのか、私の腰にロニーの手がまわされていた。
じゃあ私もフィーロの所に行ってきます、とエニスが変わりに出て行ってしまった。どうやら気を使わせてしまったようだ。
「ごめんね、ロニー。来年はチョコレート渡すから。」
「まあいい。今年は俺からやろう。」
何処からともなく取り出した一口チョコレートをロニーは何故か自分の口に放り込んだ。あれ、と思った次の瞬間には彼に唇を奪われていた。
「んっ……?!」
ロニーの舌と一緒にころりと甘い物が口の中に侵入して来た。唇が離れても、私の口の中にはチョコレートが残されていた。
「どんなチョコレートの渡し方よ……。」
今きっと私の頬は真っ赤なのだろう。恥ずかしさを誤魔化すように口の中のチョコレートを噛み砕いた。
引き寄せられ、再び口を塞がれた。侵入して来るのは勿論ロニーの舌だけ。
「甘い、な。」
「当たり前じゃない。さっきまでチョコレート食べてたんだから。」
「今年のaからのチョコレートの代わりだと思っておくさ。」
「……馬鹿。」
「来年は期待してるぞ。同じ渡し方で、な。」
「む、無理……!」
今から来年の事で悩まされそうです。
甘い、甘いチョコレート
20100214
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