真っ白に染まった湯舟に体をつけ、自分の膝を抱えた。

入浴の時間が一番リラックス出来る気がする。入浴剤やアロマオイルの種類も随分と増えたものだ。
疲れているとどうしてもシャワーですませてしまうが、日本人としてはやはり湯舟につかりたい。ここ最近はアルヴェアーレでの仕事が忙しく、時間もなかったのだ。
いや寧ろちゃんとシャワー浴びてから寝てるだけでも褒めて頂きたい。

それにしてもこの疲労感の一番の原因は……あの悪魔だ。

何故か私を「気に入った」らしく、何かと私をからかっては邪魔をしてくる……。セクハラ紛いの事もしてくるのでその度その手を引っ叩いてやるのだが、全然懲りやしない。

黒い髪を伝って落ちた雫が湯舟に波紋を広げた。

体が温まってきた。少しずつ疲れが取れていくようだ。
目を閉じて、あの悪魔の事を考えた。

……正直、嫌いじゃない。寧ろいつもあの顔を探してしまう私がいる。それはやはり好いているという事なのだろうか……。

あ、やばい。
温まった上に目を閉じたものだから睡魔が襲ってきてしまった。目を開けなきゃと思いつつもどうにもならない。もういっそこのまま眠りについた方が楽なんじゃ…と睡魔に負けそうになった瞬間、有り得ない事に私以外の声がした。

「寝ると溺れるぞ。」

一瞬で目が覚め、声のする方を見るといつの間にかあの悪魔、ロニー・スキアートが浴槽の側に立っていた。

「な、ななななな……!」

驚きのあまり言葉にならない言葉発していると悪魔はさらっと言った。

「濁り湯か……残念だが、まあいい。」
「こ、このエロ悪魔ー!!」

体をなんとか隠しながら、近くにあった石鹸を投げつけたが避けられた。ちくしょう。

「風呂場で寝そうになっていたから助けてやったのだろう?」

悪魔はニヤリと笑った。

「不法侵入だ!痴漢!馬鹿!出てけー!!」

こんなエロ悪魔、一瞬でも好きかもしれないと思った自分が馬鹿だった!ない!こんな悪魔を好きだなんて絶対にない!








20120930
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