何故こんな事になったのかわからない。
ルノラータ・ファミリーという裏の組織に関わっているとはいえ、私はカルツェリオ・ルノラータのただの家庭教師だ。深く関わりすぎず、一定の距離を保って今までは何事もなく平和に働いてきた。
なのに何でだ。

「あの……すみません、手を離して頂けませんか……。」

先程から私の右手はジュリアーノさん、左手はガブリエルさんに取られている。

私の仕事は終わっており、もう帰るだけなのに帰るに帰れない。
この双子も仕事は良いのだろうか?もう終わったのだろうか?彼らの仕事のシステムなんて知らないが、知りたくもない。

「a、仕事が終わったのなら私と『私』で食事にでも行きませんか。」
「俺と『俺』で家まで送って行ってやるから、a。」
「い、いえ、結構です……。」

何故か私は狂犬と呼ばれるこの双子に好意を持たれているようだった。限られた人間以外と話す事もあまりしないらしい彼らと一緒に居る姿をルノラータ・ファミリーの人間に見られると、とても視線が痛い。私はある一定の距離を保っていたいのに……この双子はいつの間にか私の隣に立っている。

「わかっていると思いますが、最終的には私と『私』のものにしてみせますからね。」

何も言えず戸惑う私の反応すら楽しんでいるようだった。

「最終的にはもちろん俺と『俺』を選ぶよな、a。」
「当然私と『私』を選びますよね、a。」

彼ら双子は同時に私の手の甲に唇を落とした。

ああ、悔しいが世界中の男の人の中から私は最終的に彼らを選んでしまうんだろう。








20130330
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