最近この近くに昔からの友人が住み始めたという噂を聞いて、会ってみる事にした。
彼に会うのは大体50年振りくらいだろうか。不老不死になったからなのか、そんなに久しぶりのような気がしない。
でもやはりと言うか時は流れていて、その流れは彼に変化を齎していた。
彼に子供がいたのだ。
「……ヒューイ、その子……。」
「a、久しぶりですね。挨拶もなくいきなり質問ですか?」
「ん?ああ、久しぶり……。」
「元気そうでなによりです。」
適当に挨拶を終えると私は子供を見た。彼の側に居る少女は黒髪金眼でその整った容姿は明らかにヒューイの子供だった。
「シャーネ、この方がaです。以前に彼女の話をしたのを覚えていますね?さあ、挨拶をして。」
「……シャーネ・ラフォレットです。」
シャーネと名乗った少女は無表情のままぺこりとお辞儀した。
ヒューイはシャーネに私の話をしていたらしい。エルマーの事も話しているんだろうけど、一体どんな話をしたのか気になった。
「a・bです……。」
私の事は知っているようだったけど、一応名乗っておいた。ヒューイの子供だし、これから何度も顔を合わす事があるんだろうけど……私はこの子を見ていると酷くイライラした。シャーネには悪いけど、この怒りの原因はヒューイだ。
「どうかしましたか?」
「別に……。」
何かを感じ取ったヒューイは私に問うて来たけれど、それを言葉になんかしたくない。まるで私が期待してたみたいじゃない。
「何を考えているのか当てましょうか?」
「いい。」
私が隠そうとしている事などヒューイにはバレバレのようだ。そういう所も何もかも見透かされてるようでイラっとする。
「200年前、私がaに言った気持ちは今も何ら変わりありません。」
「……じゃあ何でシャーネが居るの?」
当てなくていいって言ったのに、私の疑問にしっかり答えたヒューイに私は問う事にした。
「……シャーネ、向こうで遊んで来なさい。」
「はい、父さん。」
この子供らしくない少女が一体何をして遊ぶのか気になったが、やはりらしくはないのだろうとぼんやり思った。
シャーネの姿が見えなくなると、ヒューイは話始めた。
「シャーネは……実験体です。」
「……だから?」
ヒューイの子供である事に変わりはないじゃない。
「200年前にも言った言葉をもう一度言いましょうか?『a、愛しています。それはどれ程の時が流れようと決して変わる事はありません。』」
「だから、」
「だから私はシャーネもシャーネの母親も愛してはいません。」
私が言いかけた言葉に被せてヒューイは最低な言葉を吐いた。母親の事はわからないが、娘に対しては可愛いと思っているようにも見えた。それはただ、実験体として……なのかもしれないが。
「最低ね……。」
そのまま言葉にするとヒューイはくすりと笑った。
「その最低な言葉が聞きたかったのでしょう?」
「……嫌ではないわ。でも愛してると言うなら、何故私に子供をつくらせなかったの?」
ヒューイが答えるであろう言葉を予測して、私は気が付けば笑っていた。私も彼と同じ最低な人間なのだろう。
「aの子供だと愛してしまうでしょう?実験体に出来ません。」
ヒューイは私の頬に触れ、そっと口づけた。
私はそれだけで満足してしまうの。ヒューイはそれだけで満足しているのかどうかわからないけれど、私達はただそれだけの関係。それ以上でもそれ以下でもない。そんな事をもう200年も続けている。
「愛してます、a。」
「私もよ、ヒューイ。」
それでもただ唇を交わすだけの関係
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3000hitキリリクのヒューイ夢。海さまリクエスト有難うございました!
20090703
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