天気は快晴。気温もぽかぽか暖かいし、こんな日に仕事が休みなんてラッキーだよね。ああそうだ、お昼ご飯を食べたら外に出掛けよう。買い物するのも良いし、散歩するだけでも良いよね。
そうと決まればご飯を作ろう。オムレツが食べたいな。玉葱と人参と、後は何を入れよう?

まな板の上に食材を出して包丁を取り出した所で、私は我慢の限界に達した。

「何故お前がまだ此処に居るっ!」

振り向きざまに投げた包丁は目標を大きく外れ、壁に突き刺さった。

「何で避けるのよ。」
「刺さったら痛いだろ?」
「そのつもりでやったんだけど。」

我が物顔でソファーに座っていたこの男は名をクレア・スタンフィールドという。最近偶然出会ってから付き纏われて困っている。こういうのをストーカーだというんだと思った。

「ストーカーとは酷いな。」
「ストーカーじゃない。」
「じゃあaは昨日の夜、ストーカーをベッドに招き入れたのか。」
「ちょっと!誤解されるようなこと言わないでよ!」

家には不覚にも招き入れてしまったけど全身血で汚れたこの男に辺りをうろつかれても困るからで、ベッドはこの男が勝手に入って来ただけだし、……まあその時点で色々と負けてしまったような気もするけど……。全ては私が望んでそうなったわけじゃない。

「私は何事もなく平和に過ごしたいだけなのに……。」

それはこの男に関わっていたら叶いそうにない。夜中に殺し屋が血だらけで尋ねて来るような日常は嫌だから。
ああもう早く帰れば良いのに。

「俺だって彼女に包丁を投げ付けられる日常はなぁ。まあ避けるけど。」
「誰が彼女よ。」
「照れるなって。」
「照れてない!」

言っておくけど、私はこの男と付き合おうとは思わない。顔はまあ……かっこいい部類に入ると思うけど、殺し屋と付き合いたいと思わない。

「a、手伝おうか?」

いつの間にか男は私の側まで来て、後ろから抱きしめて言った。私はお腹を触る手をつねりながら、未だ壁に刺さっている包丁を指した。

「それより壁に空いた穴を塞いでくれる?」
「無茶言うな。」

こいつが珍しく困ったように言ったから思わずちょっと笑ってしまった。

お昼ご飯を食べたら外に出掛けよう。買い物でも散歩でも良いけれど、きっとこの男も一緒に居るんだろうな。嫌いじゃない、とだけ言っておこうかな。この男、クレアと一緒に居るのは。




ただちょっと貴方と同じくらいに平和




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2222hitキリリクのクレア夢。氷乃さまリクエスト有難うございました!
20090617
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