チョキリシャキリと鋏が鳴る。
新しく買った鋏を試してみたくて、大好きな彼女に試させてもらったんだ。……と言っても身体を切り刻んでるわけじゃあないよ。
ぱらりと彼女の綺麗な黒髪が床に落ちた。
少しだけ彼女の髪の毛を切らせて貰える事になったんだ。
「チックに切ってもらうのだぁい好き!上手だし!」
「僕もaちゃんの髪の毛切るの大好きですよー。」
でも時々思うんだ。この鋏を少しずらして彼女の身体に鋏を入れてみたらどうなるんだろう、って。
彼女は僕を嫌いになるのかな。僕と彼女の絆はどれだけの傷みに耐えられるんだろう。
その答えを知りたくて、僕はいつも試してみようかと思うんだけど……彼女に嫌われるのが怖くて出来ないんだ。僕はaちゃんが好きで好きで大好きだから。
「どうかした、チック?」
わぁ、いけないいけない。手が止まってたみたいだ。
「何でもないよー。ごめんねー。」
そう言って僕は再び鋏を動かし始めた。
チョキシャキチョキリ、シャキリ。
ああでもやっぱり今日は彼女に鋏を入れてみようかな。どうしようかな、どうしようかな。
その傷みは甘い誘惑
20090409
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