私が見つめる先には愛おしい私の彼氏。……でも彼が見つめるその先に居るのは彼女の私じゃなくて……鋏。
今日も彼は大好きな鋏の手入れをしている。楽しそうな彼の顔を見ているのは好きだけど、その視線の先にあるのが私じゃないのが……むかつく。ええ、馬鹿みたいよね。無機物に嫉妬するなんて。
はぁ、と溜息をつけば彼は漸く私を見た。
「どうしたの〜、aちゃん?」
不思議そうに首を傾げたその仕種が可愛いんだけど……やっぱむかつく。
「……何でもない、もん……。」
鋏に嫉妬してるだなんて恥ずかしくて言えない。
「僕馬鹿だから言ってくれないとわからないよ?」
以心伝心だとかそんなの当てになんかしてないし。言わなきゃわかってくれないのだってわかってる。ラックにだって、貴方はもう少し素直になった方が良いですよ、とかむかつく事も言われた。
「……、……だ。」
「え、なぁに?大きな声で言って?」
「だから!私にも触れてくれなきゃ嫌だって言ったの!」
ああむかつく!何で私がこんな事言わなきゃなんないのさ!何にとかわかんないけど、とにかくむかつく!
「……触っても大丈夫?」
「何よ、それ。」
あんたは私の彼氏でしょう?彼女に触れるのに許可なんて要るの?
「だって、aちゃんって細くって柔らかくって壊しちゃいそうで……。」
「……大丈夫よ。そんな柔じゃないから。」
馬鹿みたい。そんな事気にしてたなんて。私はちょっとやそっとじゃ壊れやしないし、チックになら壊されても……まあでもそれは貴方が悲しむからしないで欲しいけど。
怖ず怖ずと、それでも私を割れ物を扱うようにそっと抱きしめてくる貴方を、私がぎゅっときつく抱きしめ返した。
触れて欲しいのは、私
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7777hitキリリクのチック夢。玲さまリクエスト有難うございました!
20091117
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