「ただいま、シャロン!」
「おかえり、a。」
仕事で一週間程日本に行って来ました。慣れない異国の地は大変だったけど、アメリカじゃ見れないものを沢山見れて楽しかった。そして何より初めてこんな大きな仕事を貰えて嬉しかった。
私、a・bは子役タレントとしてドラマ・映画等で活躍中です。……と言ってもあんまり売れてないし、ウォーケン姉弟のようなコアなファンも少ない。でも今回の映画は人気シリーズで、主役ではないけど海外にPRするのも一緒に行けちゃうくらいの役は貰えた。やり甲斐のある楽しい仕事だったし、……これで少しはシャロンに相応しい女の子になれたかなぁ……。ウォーケン姉弟は私と違って有名で、実力もある。私なんかじゃ釣り合わないんじゃないかって心配だった。
「日本って良い所だったよ!シャロン、お土産何が良い?」
何が良いかわからなくて、色んな物を買ってきた。和柄の小物や和菓子、私のオススメはこんぺいとう。甘くて小さくてカラフルで可愛い!
「向こうで会った日本の俳優さんがかっこ良くってね……。今日本で人気のある人なんだって。」
お土産を選ぶシャロンに話掛けた。シャロンはあまり喋らないから何時も私が喋ってばっかりだ。
「表情を出すのが苦手な所とかシャロンと似てたよ。」
ああでも彼はシャロンと違って会話は普通にしたなぁ。
「名前は確か、ユウヘイ・ハ……っ!」
俳優の名前を言い切れなかったのは、シャロンの唇で私のものが塞がれたからだ。
「……え、……な、何?」
普段あまりキスとかしてくれないシャロンが不意打ちでしてきたので、驚きのあまり目を見開いて聞き返してしまった。……嬉しかったのに。
「……aから他の男がかっこいいとか、そういう話聞きたくない……。」
彼が言ったのは更に私を驚かせる内容で。
「それってヤキモチやいてくれてるの……?」
シャロンは答えてくれなかったけど、この場合否定しないって事は肯定だと受けとって良いよね……?さっきのキスよりも、その気持ちの方が嬉しいかもしれない。
「私がその俳優さんの事が気になったのはシャロンに似てるって思ったからだよ。私はシャロンじゃなきゃ嫌だもん。」
そう言って私は彼の首に腕を回した。
日本に独りで行って、寂しくなって、私が会いたいと思ったのは友達でも家族でもなくてシャロン、貴方だったんだから。
異国の地でも思い出すのは貴方だけ
20090717
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