私はこの船の中で不老不死になった。
永遠となる時間を過ごすというのも、愛しい人と一緒だと思うととても嬉しく幸せな事だと感じた。
ただ、彼は私の事を愛してはいない。それでも構わなかった。
「ねぇフェルメート、私も連れて行ってくれないかしら?」
彼はこの船を離れようとしていた。
この次はいつ会えるのかわからない。ずっと彼の側に居たかった。
例えそれがどんな形であろうとも。
「不死者の実験をするんでしょう?私の体を好きに使ってくれて良いから……。」
彼をずっと見てきた私にはわかる。上手く隠している彼の本当の性格を……。
貴方の側に居られるのなら、この体を切り刻まれようとえぐられようと構わなかった。死ぬまで、貴方の側に居られるのなら……。
「それじゃあつまらない。」
彼は今までに見せた事のない笑みを浮かべて言った。
「もっと絶望した顔が見たいんだよ。ある種の覚悟をしたお前を痛みつけても楽しくもなんともない。」
ああ彼はきっとチェスワフを連れて行くのだろう。何も知らない純粋無垢なチェスワフを。私には決して懐かなかったチェスワフを。
あの子がこれからどんな仕打ちを受けるのか想像出来たが、それでもあの子が羨ましかった。
「さようなら、a。」
彼にはもう二度と会えないんだと核心した。
それは彼が私に与える絶望。
20130208
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