好きな子に祝われたかっただけ


「おい」


不意に声を掛けられて振り返れば薫ちゃんがいて、うん?と首を傾げる。どうしたの?と問い掛ければ、歯切れが悪く唸った後に自身の頭を掻いた。


「明日、午後から暇か?」


明日、と考えて、夜までは特に予定がなかったと思い、うん、と頷く。すると薫ちゃんは安堵したのか息を吐いた。


「誕生日だろ。だから、行きたいとこあれば、良かったら……連れてってやる」


目をそらしてそう言う彼に、照れているのかと笑うと、バツが悪そうにしている。じゃあ、猫カフェ行ってみたい、と提案すれば、彼はきょとんとしてから片手で顔を覆って小さく唸った。その顔は真っ赤になっていて、私は首を傾げる。


「……それじゃあ、俺の行きたいところだろうが」


ちらりと横目に私を見ながら小さな声でそう言う薫ちゃんに、クスクス笑う。すると、コツリと頭を小突かれた。