友人と楽しそうに笑う隣の席の彼女を見つめ、大きな溜息を吐いた。
立海大附属中二年、切原赤也。只今嫉妬中。
と、言うのも彼女、隣の席の名字名前が男子も交えて楽しそうに会話しているからである。まぁ、彼は彼氏でも何でもないのだから文句など言えた立場では無いのだが。
しかし、やはり意中の人物が他の異性と話しているのは面白くない。如何にも不機嫌という感じで机に伏せる。
「なーにスネてんだよ切原」
「うっせ」
クラスメートに茶化されるがぶっきらぼうに返すと、小さな声で、あの、と聞こえてピクリと反応する。名字の声だと反射的に分かり、ゆっくりと其方を見れば眉を下げて名字が切原を見ていた。
「……何?」
思っていたより低い声が出て、またやっちまったと後悔する。
いつだって上手くいかない。別に彼はただ、ただ、
「私、皆みたいに切原くんと仲良くしたい、よ!」
嫌われてるのかもしれないけど、と付け足された言葉は切原にはもう聞こえていない。名字が言った言葉は正に彼が思っていた事だから。
「おっ、俺も!」
「え、」
「俺もっ、名字と仲良くしたい!」
「……良かったぁ」
彼女の手を取ってそう伝えたときの名字の安心した笑顔に、切原は赤くなって目を逸らした。
その周りには二人を応援するクラスメート達が微笑ましげに見つめていたのだった。
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今一歩ぶきような切原くん。
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