好きな子に祝われたかっただけ


「名前〜」


不意に呼ばれて振り返れば、ムースポッキーを大量に抱えたジロちゃんが立っていて、どしたの、と笑う。彼はニコニコと私の方へと近付いてきて、目の前に来たところで、持っていたポッキーを差し出した。


「これ、名前にプレゼントー!」


へへっと笑う彼にきょとんとする私。そうか、彼は覚えてくれていたのかと思わず笑みを零す。


「誕生日おめでと〜」


ありがとう、と大量のポッキーを受け取れば、あのね、と彼が更に私へと近付く。どうしたのだろうと首を傾げれば、ちょいちょいと呼ばれて耳を彼に預ける。


「生まれてきてくれてありがとう」


そう、耳打ちされて、一瞬あってから思わず涙が出そうになった。ジロちゃん、と名前を呼べば彼はやっぱりニコニコと笑っていて。


「俺、名前に会えて嬉Cー」


笑うジロちゃんに、感極まって、私も!と思い切り抱きついた。