入試
「……ぐっ……!」
遠くない何処かで、呻くような、苦しそうな声が微かに聞こえた。
思わずビルから飛び降りて地上に着地する。周囲を見回しながら少し歩くが、あたりにあるのは大破した仮想敵の装甲があちこちに転がっているばかり。
「…ど、どこにいますか…!?」
勇気を出して声をかけると、すぐ近くで人が息を飲むような気配。気配を頼りに駆け寄ると、ロボットの装甲の陰に倒れている女の子を見つけた。
#名前#の登場に、驚いたように目を見開いた女の子は、頭から血を流している。
「…血が…!待ってください今…っ…」
慌てて駆け寄り、ジャージのポケットに入れていたハンカチを取り出すと、そっと彼女の頭の怪我に当てる。
「い、痛くないですか?あたま、抑えながら、とりあえずここから離れましょう。まだ近くにロボットがいるかも…」
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