駅でばったり勇太とお散歩と買い物を兼ねてでてきたら、なんだか駅の方が賑やかだった。ちょうど児童公園に向かう途中だったから、自然と理由がわかった。
「あー!パパといっしょだあー!」
「ほんとだね。あ、椿くんだ」
小学生たちに囲まれてわたわたしている。話には聞いているけど、調子がいい試合のときと印象が全然違う。なんだか微笑ましい。
いつの間にか元気いっぱいの子どもたちから解放されたみたいで大きく息をついていた。声かけてみよっかな。
「こんにちは」
「こ、こんにちは!」
「ETUの椿選手、ですよね?今日なにかあるんですか?」
「は、はいっ!あ、あのっなんか今日…カレーパーティー?する…みたいで…」
「カレーパーティー??」
なにそれ聞いてない…!
そんな気持ちが顔に出てたのか、椿くんは恐る恐るといったかんじでチラシを一枚渡してくれた。お世辞にも上手いといえない字で、クラブハウスでカレーパーティーをする旨が書かれていた。足元で勇太がおれも!おれも!と飛び跳ねている。しゃがんでチラシを見せると嬉しそうに指さした。
「ママー、みて かっぱくんー!」
「ほんと、かわいいパッカくんだね」
字と同じように手書きのパッカくんも、やっぱり上手くはないのだけど、なんとなく愛嬌があって可愛らしい。勇太はすっかり気に入ったらしく、チラシをしっかり握りしめている。
「勇太、カレー食べに行こっか」
「うんっいくー!!」
「あっありがとうございますっ!!」
「こちらこそ、ありがとうございます」
楽しみだね、と勇太をなでると椿くんもなんだか嬉しそうに見えた。
(20131119)
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High Five!