20140214

お正月が落ち着き、1月も暮れを迎えると、バレンタインに向けて街中が賑やかになる。イベントがあったり、チョコレートがいっぱい並べられたり、とってもかわいくてわくわくする。けれど、良則くんとのバレンタインはチョコレートとは無縁だ。
わたしの旦那さまである良則くんはプロサッカー選手である。他のプロサッカー選手の私生活や考え方を知らないけれど、プロの中でもプロ意識の高い人だと思っている。いつ試合にフル出場しても困らないように体力作り、そのために毎日少なくとも90分は走っている。そして、体を作るのは食事も大切だと何度も教えてくれた。良則くんはわたしよりお料理が上手だ。経験の差もあるかもしれないけど。
一緒に住み始めた頃は良則くんにお料理を任せっきりで、横で見ながら、一緒に作りながら覚えた。今では良則くんなしで栄養バランスを考えられるようになったし、計算表がなくてもだいたいのカロリーが分かるようになった。良則くんのお料理の腕には適わないのにいつもおいしいって食べてくれる。
ええと、何の話だっけ。そう。良則くんはとにかく健康というか、体作りに気を使っているから、チョコレートのように必要以上の糖分や脂質をとることがない。だからわたしはものをあげたり、野菜をハート型で抜いたり、デザートにフルーツサラダをさっぱりとした味付けで作るくらいだ。
だけど、今年は違った。良則くんから有名なチョコレートの箱を手渡されたのだ。

「ええ?良則くんどうしたの?」
「たまには食べたくなるんじゃねーの?俺に気を使って全然食べてないだろ」
「うん、まあ、そうだけど…」

チョコレートってずいぶん長いこと食べてないなーと思った。良則くんからチョコレートをもらうなんて思わなかった。誰かに言われたのかな。

「良則くんも一緒に食べよう」
「俺はいいんだよ」
「えー二人の方がおいしいんだよー」

良則くんは全く甘いのがダメ、とかじゃないはずだ。だって、小学生のとき、チョコレートをもらってくれたもの。しつこいくらいにお願いしたら折れてくれるかな。嫌われないといいんだけど。


High Five!