変わったこと、変わらないこと

高校の頃から付き合っていた彼とは大学に進学してしばらくすると別れてしまった。彼が地元を離れて、沖縄の大学に進学したのだ。最初こそ電話やメールはもちろん、何度か会ったけれど時間もお金も厳しいものがあった。大好きだったし、付き合ってた頃は結婚することだって想像した。(重くとられるのは嫌だから言わなかったけど。)もうすぐ三年を迎えるはずだった。
なのに、涙は出なかった。きっと、ヨシノリくんと再会してからずっと気持ちが浮ついていたからだ。わたしは振られて当然だ。

ヨシノリくんは大学を卒業すると社員寮に入った。バイバイするときによっぽどひどい顔をしていたらしく、帰ってくるときには必ず連絡をすると約束してくれた。
教え合いっこしたメールに約束通りに連絡をくれるし、時間が合えば会って話をする。いつも話すのはわたしばかりで、ヨシノリくんは決まってアドバイスをくれた。わたしが大学進学を決めたのはヨシノリくんの影響が少なからずある。彼と別れたと言ったら慰めてくれた。

お兄ちゃんがいたらこんなかんじなのかな。
そう思うこともあるけれど、わたしは間違いなくヨシノリくんに恋をしていた。だけど、大学生になったばかりのわたしと社会人のヨシノリくんは5つも年が離れている。ヨシノリくんからすれば、わたしなんてランドセルを背負う小さな女の子のままなのだ。
別に現状を変えようとは思わない。きっととっても難しいことだから。
それでも今は、今だけはヨシノリくんの優しさに甘えていたい。そのためにちょっと子どもっぽく振る舞う。自然と甘えさせてもらえるように。

(20131116)


High Five!