#4
「学園長、予定の確認いいですか。」
「ええ、何かありました?」

監督生はパソコンから目を離さず学園長に話しかける。開いているメールのタイトルには視察訪問の件とだけ書いており、メールの内容も非常に淡々としているものであった。

「ミュラーさんという方が今週の土曜日に訪問したいとメールが来ていたんですが…。」

名前を聞いた瞬間、クロウリーはぽんっと手を叩いた。

「ああ、ミュラー卿!もうそんな時期でしたねぇ。いいですいいです、お受けしてください。」
「わかりました。予定入れておきますね。」

監督生は手慣れたようにパソコンでクロウリーのスケジュールを開くと、予定を詰めていく。秘書としての仕事の幅を広げていっている監督生は、最初は見れるだけだったクロウリーの予定を今では触れるようになっていた。

「ミュラー卿?とはお付き合いは長いんですか?」

クロウリーは全体的に非常に友好的な人物だが、ミュラーに対しての口ぶりはいつにも増して親しげであったので、監督生はなんとなく気になり疑問を口にする。

「ええ、彼はこの学園の理事の一人なんです。付き合いも相当長くなるんですが、教育に熱心な子でしてねぇ、こうして定期的に直接学園に視察に来ては色々支援をしてくれるんですよ。」
「そうだったんですね。じゃあ、いらっしゃるの楽しみですね。」
「ええ。…そうだ、せっかくですし、あなたにも秘書として同席してもらいましょうかね。」
「えっいいんですか!?」

学外の人物に学園長の秘書として会うのは初めてのことだ。その申し出は名実共に秘書と認められたようで監督生は嬉しかった。すっかりこの仕事にのめり込んでいる。そしてクロウリーにも。

「精一杯努めますね!」
「ええ、期待しています。…でもそこまで堅苦しいものでもないので、程々で大丈夫ですよ。」

クロウリーの言葉が届いているのかいないのか、彼女はいそいそと視察訪問の準備をし出す。彼女は同席こそしたことはなかったが、以前にも視察訪問の準備はしたことあったので、彼も何も言うことはなかった。

「そういえば、ミュラー卿はどちらのご出身なんですか?」
「どこでしたっけねぇ、結構ここからは時間が掛かるとは言ってましたが。」
「大体の場所からは時間が掛かるんですよ…。」

クロウリーがあてにならないことが分かったので、彼女はおとなしく理事グループ一覧の書類を探すことにした。まだ約束の日にまで時間がある。きちんと調べて失礼のないようにしなくては。自分がしっかりしていないと、自分を秘書として使ってくれているクロウリーの評価にも響くのだから。



そうこうしている間にあっという間に約束の日がきた。今日は授業がないため、監督生も朝から学園長室にいる。彼女は見るからにそわそわしていて、気を紛らわそうとしているのか、いつも以上にくるくると働いていた。クロウリーはそれを見て何度か微笑ましくなり笑いそうになったが、一度監督生に咎められたのでなんとか吹き出すのをこらえた。しかし彼女が緊張する理由が、自分が粗相をしたらクロウリーの評判に傷がつくかもしれないからということを知った今、やはり頰の緩みは抑えきれない。こうも献身的に尽くされれば、決して悪い気はしないものだ。別に落ちるほどの評判もないというのに。

「学園長は緊張しないんですか?」
「まあ、ミュラー卿ですしねぇ…。彼に限らず、視察訪問はよくある話なんですよ。」

この学園は大きい。生徒も良家の子息を預かることも多いので、理事だけに関わらず心配した実家から視察という名目の来客者は多いのだ。その度に緊張していたら身がもたない。

「そうだったんですね。」
「大体来るのは日中ですからね。知らないのも無理はありません。」

正直、エースやデュースは未だにクロウリーのことを授業中に飛び込んでくるだけの人だと思っている。いや、そう本気で思っているのはさすがにデュースだけかもしれないが。それにしても学園長の仕事いうのは存外生徒は知らないものだ。

「さて、そろそろですかね。すいませんが一応迎えに行ってもらってもいいですか?そろそろ正面玄関に来る頃なので。」
「わかりました。」
「ちょっと口下手な子ですが気にしないでくださいね。」

彼女は軽快に返事をすると、少し足早に正面玄関に向かった。階段を降りて一階の廊下を渡ると、遠くに正面玄関の入り口が見えてくる。約束の時間より少し早い時間であったが、そこにはトレンチを着た体格のいい男が立っていた。

その男は身長が高く、遠くから見ても威圧感があった。髪はワックスでオールバックに撫でつけてあり、なんとなくセベクに似ている立ち居振る舞いだ。もしかしたら何か武芸をやっているのかもしれない。雰囲気はセベクよりもとっつきずらく、顔の表情も眉間に深くシワが刻まれており厳しい。

監督生は彼に近づくと恐る恐る声をかけた。

「すいません、ミュラー卿でいらっしゃいますか。」
「………。」

声をかけた瞬間、その男はちらりと監督生を一瞥する。そして信じられないものを見たように少し目を見開かせた。しかしそれは一瞬であり、監督生は彼の変化に気付かなかった。数拍の後に重苦しい口を開く。

「……そうだ。」

この返事までの間が監督生には苦しかった。よかった間違っていなかった。そして心の中でクロウリーを詰る。何が口下手な子だ、そんな可愛い表現ができるような人じゃないじゃないか!

「クロウリー学園長の代理でお迎えに来ました。」

そして自分の名前を名乗る。しかし、言い終わらないうちにミュラーが口を開いた。

「ナイトレイヴンカレッジでは学生を使い走りにするようになったのか?」
「えっ。」

予想外の言葉に監督生は言葉を失った。ミュラーはただ淡々と彼女を見ている。視線が自分に突き刺さっていくのだけは鮮明に感じられた。

なんとか言わなくては。しかし、喉に言葉が詰まって何も出てこない。

「お前に聞いても詮無いことだな。クロウリーの所に案内しろ。」

監督生の心中を知ってか知らずか、あっさり質問を取り消すと、横柄とも取れるような態度で彼女に命令する。その姿はまるで軍隊の上官のようだ。

「えっと、今からご案内しますね。こっちです……。」

監督生がゆっくり歩き出すと、ミュラーもそのままおとなしくついていった。しかし突き刺さる視線は変わらない。視線というのはこんなにも刺激性のあるものだっただろうか。早く着いてくれ、監督生はその気持ちでいっぱいだった。色々な修羅場をくぐってきた自信はあるが、こう言った威圧的な人と無言の時間が一番胃にくるな…といういらない知見を得てしまう。いつもの廊下がとてつもなく長く感じた。あと少し、そこを曲がればすぐ。

「学園長、ミュラー卿をお連れしました。」

学園長室に入った途端、見慣れた風景にホッとする。クロウリーは呑気に奥のおーテーブル近くのソファに座って手を振っていた。この重い空気を感じないのだろうか。

「お〜ミュラー卿。お久しぶりですねぇ。元気そうで何よりです。ささ、座って座って。」

座ったままミュラーに向かいのソファを勧める。ずっと後ろについていたミュラーは彼女を追い越すと、勧められるままにどかっとソファに座った。そして挨拶もなしに鋭い眼光をクロウリーに向ける。

「いい身分になったものだな、クロウリー。」
「おや?」

クロウリーはミュラーの意図が分からずこてんと首をかしげた。ミュラーはそれにイラついたように眉間のシワを深める。

「学生をこき使うなど。」
「こき使うなんて人聞きの悪い。あの子は秘書として正式に雇っているのですよ。」

ねっ、とクロウリーはミュラーの雰囲気にのまれ緊張しきっている彼女に声をかけた。監督生はハッと我に帰り、クロウリーの言葉に頷く。ミュラーはそれを見て小さく鼻を鳴らした。

「ふん、どうだか。」

監督生は完全にミュラーの雰囲気に圧倒されていた。それに自分のせいでクロウリーが責められていることも相まって申し訳ない。やはり、あまり褒められたことではないのかもしれない。それでもせっかくクロウリーが任せてくれたのだ、しっかり自分の役割を果たさなければ。

2人はそのまま何やら話し込んでいたので、監督生は学園長室をそっと出ると給湯室に向かった。今日この日のために特別なお茶を用意していたのだ。

給湯室に行くと手慣れたようにお湯を沸かす。そして温めておいた少し小さめのティーカップとソーサーを2セットとポットを取り出し準備すると、別の棚からサムの店で買っておいた氷砂糖を取り出した。大きめの氷砂糖をカップの中に入れて、細めの茶葉をポットの中に入れる。そして沸いたお湯をポットに一気に注ぎ、砂時計をひっくり返す。茶葉が蒸れるまでの間にお茶受けのクッキ^—を小皿に盛り付け、トレイに乗せる。

「あっ。」

監督生は思い出したように冷蔵庫に向かう。生クリームを出し忘れていたのだ。これが一番重要だというのに。そうこうしているうちに砂時計の砂が全て落ちていく。彼女は慌ててティーストレーナーを取り出すとカップに掛け、ティーカップに紅茶を注いだ。熱い紅茶に氷砂糖がゆっくりと溶けだしていく。そして先程出した生クリームをスプーンに出すと、そのまま沈めるように左周りにミルクを入れ、かき混ぜずにそっとスプーンを持ち上げる。ミルクが雲のように紅茶に広がっていった。これで完成である。

学園長室から給湯室はすぐ近くと言っても、ミルクが混ざってしまったら意味がない。監督生は少し急いで、しかしトレーを揺らさないように慎重に、学園長室に戻った。

「失礼します。」

クロウリーとミュラーは何やら書類のグラフを見ながら話し合っていた。彼女がテーブルに近づくと、クロウリーはさっと書類を避ける。

「ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ。」

ミュラーは彼女に視線をちらりと向けるだけだったが、出された紅茶を見て片眉を上げる。監督生はクロウリーに紅茶を出していたので気付かなかったようだが、クロウリーはしっかりその表情を見ていた。ミュラーはカップの中身を注視しているせいか、クロウリーの視線には気付かない。

カチャとスプーンがカップに当たる音がした。ミュラーがカップを持ち上げたのである。彼女はそれを固唾を飲んでじっと見詰めた。心なしかトレーを持つ手に力が入る。ミュラーは無表情にカップの中身を見ている。何か間違っていただろうか、監督生に緊張が走った。その瞬間、

「!!」

ミュラーはそのままカップに口をつけた。そしてコクリと喉が上下する。それを見た監督生はホッと肩を撫で下ろす。クロウリーは薄く微笑んだ。

「…なんだ。」

やっとクロウリーの視線に気づいたようで、ミュラーは再び眉のシワを深める。

「いえいえ、何も。」
「答えないなら思わせぶりな顔をするな。…それで、今年のクリスマスの件だが。」
「はいはい、毎年のことですけど…。」

監督生の一番の仕事は終わった。ミュラーが監督生の紅茶を飲み、クロウリーが満足そうに笑った。それが全てだ。後は学園長の仕事である。監督生は二人にぺこりと頭を下げると、トレーを片付けに戻った。その後はいつものデスクで雑務をする予定だった。話し声は所々聞こえるが、話している内容の意味がわからなかったため、気にせずにこの空間にいることにした。恐らく二人も監督生に聞かれて困るような内容で無かったからそのまま話しているのだろうし。何か用事があったら呼ばれるだろうから、それまではおとなしく待機しておこう。そう思い監督生はいつものパソコンを開いた。



ある程度仕事が終わり、課題に手を付けだした頃、クロウリーが監督生を呼んだ。

「はい。」

トコトコと二人の元へ向かうと、ミュラーは監督生をジロリと睨むと、クロウリーに視線を移す。

「そも、この女はどうするつもりだ。」
「え、えっと、僕は…。」

監督生はとっさに一人称に嘘をついた。スラックスの制服を着ているが、学内では女子学生であると隠しているわけではない。かといっておおっぴらにしているわけでもないので、学外の人間に女であることがばれてもいいのかわからなかったのである。

「ああ、大丈夫ですよ、彼はもう知っているので。」

彼女の動揺を感じたクロウリーがあっさりと告げる。監督生は安心したように胸を撫で下ろした。

「男のふりもさせているのか!?」

ミュラーは監督生の行動を、普段から無理矢理男のふりをさせているという意味で取った。

「男子魔法士養成学校に魔法も使えない女を、性別を偽らせて無理矢理通わせるとは!お前は何を考えているんだ!?」
「あのっ、学園長は無理矢理なんかではっ…!」

監督生の言葉はミュラーの大声にかき消された。彼の怒りはどんどんヒーットアップしていく。

「そもそも、今年はあまりにイレギュラーが多すぎる!」
「教育というのが、我々の思う通りに行くことばかりではないですよ。」
「そうだとしても、この生徒をここに置いておく必要はない!今からでも提携校に通わせてやるのが教育者としてあるべき姿ではないのか!?」

怒鳴られてもクロウリーは一切動じなかった。ふむ、と一言漏らすと長く細長い足を組み替え、両手を合わせて膝の上に置く。それだけでミュラーは言葉を詰まらせた。クロウリーの空気が変わったからだ。

「彼女はここに必要です。今年は何か変わるかもしれない。」

そう言った瞬間、ミュラーは監督生から見てもわかりやすく驚いたような表情を見せた。今日1日見てきた中で一番表情が崩れた瞬間であったと言っても過言ではない。

「あなたと私では見ている景色が違う。理事になんと言われようと彼女の待遇を変える気はありません。彼女のためにも、私たちのためにも。」
「……終わるのか。」
「お約束は出来かねます。ですが今回は今までにないことが起きている。彼女の存在は不可欠なんです。これは逃せないんですよ。」

決してクロウリーは声を荒げない。早口で話すこともなく、ただいつも通りにゆったりと話していた。しかし、彼女もミュラーも余計な口を挟むことができない。クロウリーは今、この場の支配者であるのだ。

「ミュラー卿、あなたは非常に良い理事だ。現場主義で、生徒のこともよく考え、情も深い。私はあなたのことをとても好ましく思っています。」
「………。」

ミュラーは一度目を瞑った。何かを考えているようだった。

監督生は胃の腑を掴まれているような心地であった。彼らの話している内容の意味がほとんどわからなかったが、何か自分が、大きなことに巻き込まれているのではないかと思う。そしてその主犯は…。

クロウリーをそっと見る。その表情はぞっとする程冷たい微笑みを浮かべていた。知らない。私はこんな学園長は知らない。

ミュラーは熟考の末に口を開いた。

「……出過ぎた真似をしたようだ。」
「わかっていただけたようで。」

クロウリーはまたいつもの飄々とした笑顔を浮かべた。まるでさっきの表情は嘘みたいに跡形もなく吹き飛ぶ。しかし監督生はその表情を見ても安心することができなかった。

ミュラーは紅茶の入ったカップをガッと掴むと一気に煽った。まるで酒のようである。そして静かにソーサーに戻すと懐からすっと名刺を取り出し、監督生の方に差し出した。彼女は思わず反射で受け取る。そこにはミュラーのフルネームと会社、連絡先などが書いてある。

「紅茶、うまかった。」
「あ、ありがとうございます…?」
「要件は以上だ、俺は帰る。」

ミュラーは一方的にいうとそのまま立ち上がった。クロウリーが困惑している監督生に声を掛ける。

「では出口まで案内して上げてください。」
「いらん!」

監督生が返事をする前にミュラーは鋭く返すと、ドカドカと足音を立てて学園長室から出て行った。まるで嵐のようだった。

「まったく、ミュラー卿は短気ですねぇ〜。」
「が、学園長、私何かしてしまいましたか。」
「いやいや、逆です。気に入られたんですよ。」

クロウリーは本当にいつも通りであった。監督生が知っているちょっと呑気な学園長だ。

「でも、やっぱり魔法も使えないのに、しかも男子校に通うなんて…」

入学当時はこの世界のことも自分の身に起きたこともわからず余裕がなかったが、改めて考えてみれば随分と恐ろしいことをやっていると思う。ミュラーの言う通り、どこか違う学校に行った方が学園としては安心だろう。しかし、それではグリムが。

「彼は別に規則を破っていることに怒っていたわけではないですよ。君を心配していただけです。」
「心配?」
「男子校の中で女子一人、それも魔法も使えないとなったら、一般的に考えたら危険ですもんねぇ。それにあなたはとても気が利く。それに勘違いした厄介な不届きものに絡まれるんじゃないかと彼は思ったんですよ。」

クロウリーはなんてこともないように呑気に伸びをした。長時間座っていたおかげで腰や肩がぼきぼきと音を立てる。

「ほとんど何もしていなかったのに、そこまで考えてくれたんですか…。」

今日の彼との記憶はほとんど睨まれていたか、無視されていたかの二択だった気がするが。そこまで思わせるようなことはしていない。

「したでしょう。この紅茶ですよ。」

長い爪カップを指差した。彼女を目を向けると、二つとも中身は空になっていた。クロウリーも全て飲み干してくれたようだ。

「彼にはいつもコーヒーを出していたんですが、飲まずに帰るんですよ。でも今日は君がわざわざ彼の故郷の飲み物を出した。こんなことしたのは初めてだったので、何も言わなくてもあなたの差し金だと気付いたんでしょう。そういった気配りが嬉しかったんでしょうねぇ。」

そうだった。ミュラーが来る前に監督生は彼について少し調べていた。彼の出身地は少し独特な煎れ方をした紅茶を飲む風習がある。難しい煎れ方ではなかったため、クロウリーに許可をもらって出していたのだ。監督生の気遣いは確かにミュラーに伝わったのだ。

「…よかったです、少しでも役に立てたなら。」
「ええ、ありがとうございます。」

前に読んでいた本の言う通りしただけだったが、自分の行動で人の信頼を勝ち得たことが嬉しい。監督生は名刺をそっと制服のポケットに仕舞った。

「それにしても彼も心配性ですよねぇ。私がいれば危険なことは一切起きるはずがないというのに。」
「え…?」

それは異議しかない。今までの仕打ちを思い出す。オーバーブロットした人に追いかけ回されたり、魔物に追いかけ回されたり、ろくな目に遭った試しがない。

「結構学園長のせいで巻き込まれてると思うんですけど…。」
「それはそれです。…でも、大事には至ってないでしょう。」

うろんな目で見てくる監督生にクロウリーはニッコリと笑った。

「私は優しいですから。これからも君のことを見守っていますよ。」
「ほどほどで…。」

嘘くさいな、とは思ったが、きっとある程度は見守っていてくれるのだろう。これが会ったばかりの時であったら信用もできなかったが、今ではすっかり信頼している。無事仕事を終えられたことも相まって監督生は気が抜けていた。

そのためすっかりクロウリーのペースに乗せられて聞こうと思ったことを忘れていたのだ。今年は変わるとはなんなのか、自分はどう関係しているのか。…元の世界に帰る方法を探す約束はどうなっているのか。あの時感じた恐怖をすっかり過去のものにしてしまっていた。

「まったく本当に君はよくできた秘書でいい生徒です。」

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