大事にしたいサトルクン



付き合い始めの頃、出張のイレギュラーで帰れなくなり、さらに泊まろうとしたら部屋がひとつしかなかった(しかもダブル)
いざ寝るってなったとき、「僕こっちでいいから、なまえベッド使いなよ」ってひとり掛けのソファにサトルクンが座る

「横にならないと疲れちゃうよ」
「大丈夫」
「ダブルだし、広いから一緒に寝よ」

初めての二人でお泊まり、仕事が忙しくてロクに会えなかった期間が長すぎてまだキスもしてない
どきどきしてるのを精一杯隠して誘うと、一拍置いて「いやいい。だめ」とサトルクン言われてショックを受ける
そっか…じゃあおやすみ、と布団に潜ったあと拒否されたことにしばらく落ち込んでると、サトルクンが歩いて来る気配がして、そっとベッドに腰掛けた

「…ごめんなまえ。なんか拒否ったみたいになった」
「んーん。いいよ」
「よくないって…付き合って3ヶ月とは言え、二人で泊まりも初めてなのに…」

なまえさんが黙ってサトルクンを見つめると、参ったように目を伏せて髪をかき上げた

「これでも大事にしたいんだよ。したいって言うか、してるって言うか…がっついて引かれたりしたらやだなって…」
「…がっつくの?」
「……そりゃこんだけだいすきだったらがっつくよ…我慢できなくなってトイレで抜くとか情けないこともしなくないし」
「…」
「…なにその顔。僕全然余裕ないからね」
「えへ、」
「…?」
「私魅力ないっていうか、自信ないから、嬉しい」
「あるよ、魅力。すげえかわいい。だいすき。自信持って」
「私も、だいすき」

ぎゅーっとし合ってる無言の幸せ

「だから、いっぱいがっついてほしい、」
「……マジで煽んなって」
「えへへ」

布団をめくってなまえさんに覆い被さると、額を合わせて唇を尖らせる

「オネーさん、弄ばないでくれます?」
「弄んでないよ、」

ため息を吐きながら首元に顔を埋めたサトルクンが、そのままなまえさんをぎゅっと抱きしめる

「ゴムもないし」
「下にコンビニあるよ」
「も〜〜💢💢責任取ってね?!」

大事にしてるのでちゅーしてくっつくだけで今日は終わり




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