なまえさんの部屋
「なまえ〜」
「ん〜?」
「いい加減引っ越そうよ」
「うーん」
電気が消えたなまえさんの暗い部屋
床に直引きした狭くて薄い布団の中で、裸のままくっついてうとうとしながらサトルクンが言う
「狭いし壁薄いし隙間風凄いし両隣おっさんだし。危ないよこんなとこ」
「ん〜、更新のとき考える」
「そう言って先月更新したのなまえじゃん」
「そうだけど…安いんだもんここ」
「こんなとこだから安いに決まってんじゃん…ねえなまえ」
後ろからサトルクンがなまえさんをぎゅっとした
背中から腰まで密着する肌の感触、肩に回された男の腕、うなじに触れる顔や唇の温度
暖かくて柔らかくて、胸の中からほわほわと幸せな気持ちが滲んでくる
「壁薄いからえっちも満足にできないじゃん」
「んふふ」
「なまえの声聴かれんのやだし。それで想像してオカズにでもされたら最悪」
「それは嫌かな」
「でしょ?危ないしさ。まあ声抑えてすんのも悪くないけど」
「ばか」
「んふふ。僕んとこおいでよ。お風呂広いし、洗濯機はドラム式の乾燥機付きだし、もちろんベッドあるし、オートロックで管理人もいるし。炊飯器あるよ。トースターもあるからパン焼いて食べられるよ」
「いいとこいっぱい」
「そうだよ〜」
「ふふ」
「じゃあ明日解約の電話してい?」
「落ち着いて」
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