02:蜂の麻薬にやられてしまったんだ
「なまえ」
「イルミ…仕事終わったの?」
「まぁね、シャワー浴びてきたとこ」
「だから上半身裸なんだ」
寝てしまうには、惜しいほど美しい月だった。半袖では少し肌寒いが、光を直接感じたいためベットにのって窓を開け、見上げていた。部屋には、つい先日買って来た大量の本が散らばっている。私色に染められた一室。好きに外出できない代わりに、好きなものをネットで買えた。お金はどこから出てるのかしらないが。
コンコン、と鳴いた扉。こんな時間でも、ここの家の者は時間の感覚がおかしいので誰が来ても不思議ではない。視線だけそちらに向けると、目のやり場に困る彼が立っていた。
「なまえ。」
誰かわかると、また視線を月に戻す。扉が閉まる音がして、いくら一般人の私でも、なんとなくイルミが近づいてきてることはわかった。
「…なに?」
「キルに告白されたの?」
どこから嗅ぎ付けてくるのか。…まぁこの人に隠し事とか命取りだけど。
「うん」
「なんですぐ断らないの?」
「なんでって…」
「なまえはオレの物でしょ?」
「…イルミから告白された記憶ないよ。」
「わかってるくせに。」
ベットのスプリングが鳴る。窓枠に彼の両手が伸び、身動きできなくなる。…逃げられない。
「キルとはこんな事しないでしょ?」
「んっ…」
彼の真っ直ぐな髪が身体を擽る。舌が、首を這う。
「いつも抵抗しないよね?…気持ちいいんでしょ?」
「やっ…」
「セックスの時以外は素直なのにね」
私を閉じ込めていた檻は、胸へと移動する。服の上からやんわりと触るのは、この後の合図。
「っ…イルミ、」
「久しぶりだし、あんまもたないかも。ヤるよ」
「…っばかっ」
「どっちが。」
息が合わさり、そのままベットに押し倒される。彼の髪が私の顔に降り注ぐ。少しずつ近づいてくる黒い瞳。ゆっくり目を閉じて、触れてくるであろう唇を待つ。
「ん…」
口をあけるといとも簡単に舌の侵入を許す。彼のキスは、性格に現れてると思う。…逆か、性格がキスに現れている。…ねちっこく、全てをかき乱すような。お互いの何かを埋めるように。私の舌は彼に食べられてしまうのではないか、と思う。
と、そのとき。目元と手元に違和感。
「イルミ…?」
「今日はこれつけてヤってもらうから。」
「目隠し…?と、?」
「手錠ね。暴れないと思うけど、暴れたらケガするよ」
急に暗くなる視界に、不自由な手。不安が無いといえば嘘になるが、この手のモノを彼は好む。
「なまえ。なめて」
「んっ」
口元に何かがあたる。感覚と、雰囲気でわかる。いつの間に服を脱いだのだろうか。
少し口をあけて、あたっているモノを口唇で確認する。少し熱いソレは、いつも私を快楽に導いてくれるものだ。
ゆっくりと、口でそれを包む。何も見えないので、口だけの感覚で、喉の奥まで進めた。一度、奥まで包んでしまえば後は感覚でわかる。歯をたてないように気を付けながら、奥まで飲み込んだり、出したりを繰り返す。いつもの彼のモノを思い出して、裏筋もなめる。少し顔を動かして、ソレの下についてある袋も口に含み、彼の今の顔を想像する。
「ん…見えてない割にはいい感じだよ」
「ん…」
自分が今、どんな状況か。
それを考えるだけで疼いてくる。自然に揺れる腰
「ふっ…ひぃもぃい?」
「何言ってるかわかんないよ」
「んっ…気持ちいい?」
「まぁまぁね。…頑張ったご褒美あげる」
強制的に口から抜かれ、今度は何が始まるのか。
彼が動いたことしか、わからない。
スッと身体をラインをなぞられる。そのまま家に帰るように、服にうつる。
既にたっているソレを少し強引に引っ張られる。引っ張られながら、くるくるとこねるように。
「あっ」
「なまえこれに弱いよね」
指だけでなく、生暖かい感覚が私を襲う。少し甘噛されて、吸われる。
「はっぁ、」
片手が離れたと思ったら、片足を掴まれ、胸まで引き寄せられた。
「片足じゃ、丸見えとまではいかないか。」
ひくつくソコが、彼に見られている。
下着越しとはいえ、羞恥で死にそうだ。
「ここかな」
一番良いところをあてられて、こするように動かす。くちゅ、くちゅ、と卑猥な音が耳に入ってくる。
「あっ…やっぁ」
「目隠しと手錠、気に行ったみたいだね」
「あっん、ぁ」
「すぐ三本くらいは入りそうだなぁ」
「イルミ…」
「ん?」
「もうっちょうだい…じらさないで」
「早いね。いいの?」
「早くっ」
「なまえがそういうなら。」
あっという間に下着をはぎ取られて、外にさらされる。場所を確認するかのように、彼の体温を感じるモノが秘部の入り口をこすった。片足だけ、彼の肩にかける。腰を引き寄せられて、奥まであたる。
「あっ…ぁっ」
「やっぱり簡単にはいった。淫乱だね、なまえは」
視界が暗いからか。手元が思うように自由に動かないからか。彼に身を任せ、快楽に酔う。自ら腰を振っていることは、気付かない。余裕なんか。ない。両手は手錠のせいで離れないので、ベットのシーツを必死で掴み、イキそうになるのを必死で耐える。
一回、動きが止まる。
「膝立ちになって後ろ向いて。ほら、壁に手つけて」
「…こう?」
「いくよ」
そしてまた、快楽の波が押し寄せる。目の前が暗い。爪痕が壁に書かれそうだ。
繋がっていることを示すかのように今日はわざと、音を出してくる。耳からの刺激だけでイきそうだ。
「はぁっ…ぁ、」
も、…
「あーダメだ。やっぱり今日はもたない。イっていい?」
「私もっ、もう…ぁ」
「中に出すよ」
「ぁ、ぁっ…!」
目の前がチカチカした。
+++
―次の日の昼
長くて、暗い廊下にて。たまたま彼らは、ハチ合わせた。
「……イルミ」
一瞬お互い無言で、にらみ合う。
「キルって趣味悪いね。のぞき見してたでしょ、昨日」
「!…」
「しかもあれで抜いたでしょ」
「…」
「なまえの嗅ぎ声は初めて聞いた?どうだった?」
「っ…うるせぇ!」
「今度、なまえがよがるポイント教えてあげようか?」
「…っっ」
「なんてね。」
余裕の表情でその場を去る兄の背中を睨みつけることしかできなかった。
20160514
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