「ハイセ、ご飯行こうよ」
「ハイセ、また何か言われたの?気にしなくていいんだよ。」
「ハイセ、…私がいるじゃん!他の人になんて言われても私がいるから!アキラさんもいるし、ね!」
「ハイセ〜もう疲れた〜帰りたい〜」

君は僕の…………




+++



「お前のそのやる気のなさはどうにかならんのか?」
「やる気ないわけじゃないですよ、もともとこういう顔なんです。」
「ったく…ハイセに見せてやりたいよ。」
「それだけは辞めてくださいアキラ様」

書類と睨めっこしながら、目星を絞っていく。CCGは今日も喰種相手に忙しい。

美しい金髪、白い肌を持った美女アキラさんは私の上司。厳しいが、愛のある厳しさでアメ一割ムチ九割で日々扱かれています。そんな私は、同じくアキラさんを上司に持つ彼が好き…でした。

「…なまえ、いつまでも引きずるな。ハイセ以外にも男はいるぞ」
「…わかってま」

ガチャ

「アキラさん」
「…おお、ハイセ。」
「…」

部屋の扉が開いて、ある人物が入ってきた。開けたのは、白髪が混じった黒髪(逆かな?)の彼…佐々木ハイセ。色々過去がめんどくさい奴で、周りには異端の目で見られてるけど、とっても優しくてカッコよくてイケメンで料理も上手で…やっと理想の男性に出会えたと思った。不自然にならない程度にアピールもしてきたし、全力で彼の味方になっていたつもり。でも、つい先日。

『ハイセ…あの、あのね』
『ん?どうしたの?』
『す、好きなの!』
『…ごめん』

全力で振られました。

悲しくて悲しくて一晩泣きはらして出勤。やっぱり恋をしてる時って仕事もやる気が出るし、周りがキラキラして見えるけど、今は打って変わって真っ暗。やる気も起きない。

「じゃあクインクス班を頼むぞ」
「はい。」
「…」

じゃあお疲れさまでした、と爽やかな声だけ残して彼は出て行った。

…気まずくて全然見れなかった。ずっと書類と睨めっこしてた。

そんな私を見て、アキラさんはハァとため息をつく。

「もうアイツはクインクス班担当だから、前ほど顔は合わせないが…仕事に支障が出ない程度にコミニケーションはとれるようにしとけよ。」
「…はい」

新しい好きな人できるまでは当分無理ですアキラさん。



「……合コンでも行ってきます。」
「おー、そうしろ。」






ガチャン、と扉を閉めた。もしかしたらいるかもな、とは思ってたけど、まさか本当にアキラさんといたとは。

ふぅ、と緊張を抑える為に胸を下ろす。

「…」




先日、なまえに告白された。僕も好きだったから、歓喜で二つ返事でOKを出そうとしたけど、ふと、悪魔の声が聞こえた。…半喰種の僕と付き合って幸せになれるのか?…

それまでは僕の片思いだと思ってた。彼女は明るくて素直で笑顔がとても可愛い。男友達も多いみたいだし、いろんな男から言い寄られていると聞いたことがある。…アキラさん伝手に。だから僕もその一人で、でも同じ同僚だから一緒にいる時間は長いし、仲間として信頼されてると思ってた。それだけで満足だったんだ。

でも、彼女の想いを聞いて、急に怖くなってしまった。

ただでさえ僕は肩身が狭い。半喰種のくせに、と罵られる事も多いのに、もし僕と付き合って彼女の評判まで落ちてしまったら…?

「………。」

いいんだこれで。彼女が幸せになってくれたら。

そう思って歩き出そうとした瞬間、部屋から聞こえた声。



「……合コンでも行ってきます。」
「おー、そうしろ。」



…!…………

…やっぱり嫌だ!





僕のお姫さまは大人しく待っていてはくれない。

でも結局一回振っちゃったし、どうしたらいいのかわからないからその場を離れた。


20150911

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