▼案山子相手
▽逆トリップ
銀髪は日本では目立ちすぎる。悪い意味でも、良い意味でも。
はたけカカシがこの二十一世紀に来てから、三ヶ月がたった。頭が良い彼はあっという間にこの時代に順応していた。二人が住むにしては少し狭いと感じていたアパートも、今ではすっかり慣れてしまって、今では生活費の方が心配だ。問題の銀髪も、一瞬だけ染めてもらおうか…と考えたが、それは何となく自分の中で却下した。
最初は、そりゃあもう舞い上がった。なんたって好きで好きで大好きで仕方がないカカシが私のアパートにいるのだ。一瞬で色々なことを考えた。夢?コスプレ?いやこれこそ、あの逆トリップってやつなのでは?え、じゃあ無理矢理彼をここに住ませて、好きになってもらって、夢にまでみたカカシとラブラブ生活…ちょうどこのへんまで一瞬で考えたな。カカシを見た瞬間。
当時付き合っていた彼氏とは少ししてから別れた。カカシが来てから連絡もほとんどしなくなったし、そもそもアパート呼べなくなったし(カカシがいるから。)、頭の中から綺麗さっぱり忘れてしまっていたからだ。頭の中はカカシの事でいっぱい。彼氏?ああ、そういやいたな。くらいのレベル。
そう、
こっちに来て三か月。
言いようのない不安に襲われていた。
最初は、ほんとにカカシがいるだけで幸せで、カカシの隣に立っているだけで幸せだったのに。この幸せに慣れてきたころ、この幸せを手放すことが怖くて怖くて仕方がないのだ。私が見てないところでカカシはきっと帰る方法を探していると思う。私の前では、そんな素振り全く見せないし、当たり前のようにキスしたり、一つになっているし、愛してると囁いてくれるけど。
もし、カカシが突然いなくなったら?
もし、カカシが帰ると言い出したら?
もし、カカシが帰りたいと言い出したら?
カカシはあんまり木の葉の里の時のことを話さない。聞いたら、少し答えてくれるだけ。
本当は聞きたい。どう思ってるの?帰りたい?寂しい?私はこのままカカシずっとずっと一緒に過ごしていたい。カカシがこの世界に慣れたら、カカシにも働いてもらって…住民票とかないから無理なのかな…でもそれでも、なんとかして一緒にいたい。私は全てを捨てる覚悟なのに。
「ねぇ、カカシ」
「ん?」
「ずっと一緒にいようね…」
「…ん、そうだね」
ソファに座っているカカシの隣に座って、頭をカカシの肩に預ける。窓からは、夕方の光が侵入している。
寒くなってきたね、と続けた言葉に私は何の意味を持たせていたのか
縋るように。口約束なんて。
全く意味ないことはわかっているのに。
カカシの着ているTシャツを掴んで、離さない、という意味を行動で示す。私はこんなことしかできない
…監禁してしまえばいいのだろうか?
なんて。
馬鹿らしくて。
カカシのTシャツを掴んでいるこの手さえ…
私は無意識に手を離した。
でも、カカシはそれを許さなかった。離れた手を掴んできて、私の名前を呼ぶ。
「なまえ」
「…なに、カカシ」
「………ついてきてくれる?」
「俺の為に全部捨ててよ。」
誰かが僕に囁いた
拍手 20141029〜
どこに?なんて。そんな野暮なことは聞かないわ
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