「君はマリアではないね」
「ぁんっんっ」
「純潔じゃないから、当たり前か…」
卑猥な音が部屋中に響き渡る。こんな時にグソンが何かをしているかなんて、私も槙島も気にしていない。思考の中に存在しているのは、いつもの読書でもなく、仲間の事でもなく、お遊びの事でも無い。目の前にいる人の事。
いつも優雅な彼が、汗を流して一心不乱に腰を振る。その快楽から逃げるように、腰を捩り、快楽という名の縄から脱出しようと試みるが、いつも脱出できずに終わる。せめて、振り落とされないように。彼に必死にしがみつく。
「聖書には六人のマリアが存在するんだ…」
「んっあっ」
「なまえはどのマリアだい?有名なイエスの母か?マリア・マグダレネか?」
「あっ、イっちゃっ…ぁ」
「本当に…厭らしい子だね、君は」
ずるり、と引き抜かれる熱に名残惜しさも感じつつ、生気を天使に抜き取られた私は脱力し、動けない。
「マリア」
「…他の女の名前で呼ばないで」
「怒るなよ。例えじゃないか」
「…」
「処女からほど遠い君はマリアから降格だね。…ほど遠くしたのは僕か」
「わかってるじゃない」
「さぁ、うつ伏せになって、お尻を突き出してごらん。」
「えっ?まだやるの…」
「天使はまだ力を失ってないからね」
言われるがままに、体制を変えると、先程まで中にあった熱がまた侵入してくる。彼の手が揺れる乳房を乱暴に掴み、先端に刺激を与える。何もでてこないのに、生気を絞り出すかのように与えるソレからは逃げられない。
「んっ」
「さぁ…」
「はぁっ…」
後ろから耳元で囁かれた言葉にマリアにはなれない事を悟った。
天使じゃない
僕に快楽という名の魔力を与えてくれ
20140202
ALICE+