待つのは、嫌いだ。
今、自分がどこにいるか、わからなくなるから。
「…。」
ソファに座って貧乏ゆすり。ああ、いけない。悪い癖。
窓から見える空は、この背景のような色だった。素敵な一日だった。そう、充実した一日。朝ご飯を食べて、昼ご飯を食べて。友達と一緒に歩いて、家に帰る。多分、10年後には忘れているような一日。ああなんて素敵な。
ああ、また気付いたら貧乏ゆすり。
ほんと、だめ。人を待つのって、苦手。
チラチラ時計を確認して。
ドキドキ?ちょっと違う。
ワクワク?全然違う。
…ハラハラ?うん、しっくりくる。
今、自分がどういう状況なのかわからない。あと何分で私は彼と会えるのか。十秒後?十分後?
…把握できないのが、いや。待つくらいなら、行った方が楽。相手に振り回されなくて良い。
でも、呼び鈴が鳴った後は簡単だ。走って玄関に向かって。
…ほら、扉を開ければ。
「はぁっ、…なまえ、お待たせ。」
「…うん、待った。」
「ごめんね、仕事、長引いちゃって。」
「喰種狩り?」
「…まぁ、そんなとこ」
「入って」
「お邪魔します。」
白いコート。汚れが少し目立つ。
玄関で背を向ける。彼が靴を脱ぐ気配がする。さっきの気持ちはどこかへ飛んでいく。
振り返って、目で確認する。
靴を脱ぎ終わって玄関に踏み出したところだった。
「なまえ?」
彼に名前を呼ばれる。返事もしないで見ていると、どうしたの?と疑問が降ってくる。
廊下が水たまりになる前に、近くに行って、腰に手を回して密着する。
「ハイセぇ」
「ん?」
彼も私の腰に手を回した。彼の体温は私より少し低い。
「待ってたの。」
「…うん」
「ハラハラした。」
「…ハラハラ?」
「いつ会えるんだろうって。」
「…」
「不安で押しつぶされそうだった。」
「なまえ…」
「ねぇ、ちゅーして?」
少し唇を突き出せば、腰にあった彼の右手は背中に、左手は頭に移る。
とても甘い蜜が身体に入ってきた。
吸っても吸っても足りなくて、私が彼を喰べてしまいそう。
「ん…ふぁ、ん」
舌を絡めて生気を奪う。
がさごそがさごそ
彼の手が服の中に移って、下着のホックをはずした。宙ぶらりになって、少し気持ち悪い。でも構わずキスを続ける。
「ん、あっ…っ」
露わになった乳房をもまれた。最初は大きく揉みしだくだけだったのに、人差し指と中指で先端を挟まれ、引っ張られる。
「ハイ、せっ…」
「はぁ…」
「もっと…」
「可愛い…」
赤く火照った顔を見つめるだけで私も一緒に落ちていける。
君の白い髪も、白い肌も、いつ喰べられるかわからない、この状態で。
「ねぇ、もっと」
キスの薬で眠ってしまおう
こんな夜にハラハラさせないで
もっと埋めて
20151016
人を待ってる時の、なんとも言えない気持ち
ALICE+