再会から
再会から
「あっ」
「え?」
仕事の帰り道、本屋にて。
月刊バリボーを探しにいったら、懐かしい顔に会った。
青城時代の部活のマネージャーの霜月だ。
「俺だよ、花巻。覚えてない?」
「あ、あー! 気づかなかった!」
霜月はようやく俺に気づいたようだ。
てか、俺はすぐに気づいたのに。
まあ、霜月も霜月でずいぶん変わったから気づかないやつは気づかないだろうけど。
「花巻さん、大人っぽくなりましたね」
「そういう霜月もな。なあ、このあと時間ある?」
俺は月刊バリボーを手に取り、問う。
霜月は、うん、と小さく返事をした。
「じゃ、ちょっとお茶でもしない?」
そうして俺たちは二人だけの同窓会を開いたのだった。
霜月は何を隠そう青城時代の恋人だ。
あの頃はまだ俺も霜月もがきで、一緒にいるだけで楽しかった。
だけど俺が大学に進学して、霜月が受験生になって、お互いにずれが生じてしまった。
「ミオ、別れてくれ」
「貴大くん……?」
俺のわがままだ。
もっと大学の友人との時間を取りたい、そんな身勝手な理由。
それでも霜月は、なにも聞かずに頷いてくれた。
再会してからしばらくは、LINEでやりとりをしている。
毎日の楽しみと化したそれに、はたと気づく。
「……勝手すぎるよな」
俺はいつだって身勝手だ。
今さら霜月とやり直したいだなんて、都合がよすぎる。
それでも、何度か会ううちに、その気持ちは抑えきれなくなっていった。
「なあ、霜月は彼氏とかいるの?」
「うん? いないですよ」
内心、安堵している自分がいた。
そして、俺は続ける。
「じゃあ俺と付き合わない?」
「花巻さん?」
霜月は目を丸くして俺を見る。ああ、だめか。
諦めがよぎったとき、霜月の目から涙が溢れていた。
そんなに嫌われていたのかと慌ててハンカチを探す。
「悪い、都合がよすぎだよな」
「違うの。嬉しくて。私も同じこと考えてた」
思いもよらない言葉に、俺の方が面食らう。
そんな俺を見て、霜月は、ふわりと極上の笑みを浮かべた。
あの頃とかわらない、笑顔を。
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150万hit&クリスマス企画。
風香さまリクエストです。
メリークリスマス!
161208