くっつき虫
くっつきむし
聖臣くんはネガティヴ思考の持ち主だ。
いつも体育館の隅で他人を避けるように立っている。
「聖臣くん、離れてよ」
「やだ。だって離れたらミオ、盗られちゃう」
被害妄想にも近いそれに、私は手をこまねいていた。
聖臣くんは私の恋人だけど、少しくっつきすぎだと思う。
今も部活の休憩時間だと言うのに私にくっつきっぱなしだ。
「もう、ほら。休憩終わりだって」
「えー。ミオ、どこにもいかないでよ?」
「分かってるって」
かくして聖臣くんは練習に向かったものの、練習中も私から目を離すことはなかった。
部活が終われば、ぎゅっと手を繋ぎながら帰路を歩く。
聖臣くんはなにも言わないけど私の手をそりゃあもう強く握って話さない。
「聖臣くん、家ついた」
「……」
私の家の前まで来ると、聖臣くんは不服そうに私を抱き締めるのだ。離れたくない、そう言いたげに。
「聖臣くん」
「ミオ、俺、ミオが好きだよ」
「私も聖臣くんが好きだよ」
ぽんぽん、背中をあやすように叩けば、彼はようやく私から離れる。
そしてマスクをはずし、私にキスをする。
「また明日。絶対また明日会おうね」
ああ、なんて心配性なんだろうか。
私は笑顔を浮かべ、後ろ髪引かれる思いで彼と別れるのだ。
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メリークリスマス!
161210