とある喫茶店で起きた殺人事件。血を吐き出し死亡した被害者の身元も特定され、警察も到着した今容疑者と思われる人物と小五郎のおっちゃん、そしてたまたま居合わせたという安室さんがいた。

今回ひとつ変わった点といえば、今容疑者の疑いが高い女性。彼女の鞄から殺害に使われたと思われる毒物が見つかった。先程まで、安室さんと親しげに話していた女性の顔色はまっ青を通り越し真っ白になっている。

まだ事件が起きる前のことだった。

「よく会いますね、なまえさん」
「ソウデスネ…」
「なまえさんに会いたい僕の想いが通じたのでしょうか」
「たまたまじゃないですか」

一見仲良さげに見えるその会話に度肝を抜かれた。普通なら黄色い声を上げそうな安室さんの台詞も、彼女は冷たくあしらっているように見えたのだ。驚いてつい話しかければ、安室さんへの態度と一変した姿を見せてくれた。

あどけない子供を演じれば、慈しむような瞳で俺を見た。それどころか子供が好きなのかと思うほど彼女は優しく、それは蘭が来ても変わらなかった。恐らく社会人であろう彼女に、安室さんが話しかければ態度は一変する。

彼女は安室さんが嫌いなのだろうか。

「僕がおすすめしたケーキにしてくれたんですね」
「違います。別に安室さんが言ったからとかじゃなくてたまたま目に入ったからですそういうのじゃないです勘違いしないでください」
「残念だなぁ」

…ん?
突然早口でまくし立てた彼女に思わず目を向けた。安室さんは変わらぬ調子で話しかけている。隣の席の彼女のテーブルにはスフレケーキに紅茶が置かれていた。メニューを見る彼女に、スフレケーキを勧めた安室さんの姿は記憶に新しい。

安室さんに言われたからではなく、自分で決めたのだと主張するなまえさんの顔に注目する。安室さんと顔を合わせず、背ける彼女の顔は見えない。だが、後ろから見える耳は赤いような気がした。

ははーん?

安室さんが席を外した瞬間を狙い、声をかけた。

「お姉さんって、安室さんが好きなの?」
「はっ!?」

ガチャン!と大きな音を立ててフォークが落ちた。音を立ててしまったことに慌てながら、とんでもなく焦っている彼女の顔色がどんどん変わる。

「好きじゃない!たまたま会うだけで別にそういうのじゃないし!好きとかそんなんじゃないし!ケーキだってただ私が食べたかっただけだしあの人が勝手に話しかけてくるから話してるだけでそういうのじゃないし違いますから!!」

…わかりやすいなこの人。そりゃあ安室さんもちょっかいを出すわけだ。







事件の起承転結が思いつかなかったので途中までです。きっと安室さんとコナンくんが夢主にかかった容疑をあっさりなくして解決します。


2018/06/11