大きい鍋に今朝採れたばかりの野菜と保存していた肉を入れてぐつぐつと煮込む。
本当はもう少し煮込んでいたいが待ってもいられないので味見をする。

「うん…美味しい」

我ながら上出来だ。
じじいから教わり何年も作ってきたスープの腕だけは上がってるようだ。
このスープならあの子も食べれるだろう。

洞窟で助けた子供を抱えて家に戻り、すぐベッドに寝かせた。
額の汗を拭いてあげて、じじいに暖炉の火をつけてもらい、スープの調理に取り掛かった。

スープをよそいトレイに乗せて後ろで待っていたじじいに渡す。

「できたよ。まだ目が覚めないようなら温めなおすから持ってきて」
「味は確かじゃろうな」
「失礼なじじいだな。そんなに心配なら味見でもする?」

ふんっと笑ったじじいはトレイに乗せたスープを子供の部屋に持って行った。
鍋の中に入っているおたまをぐるりと一周かき混ぜてから火を消した。

「あのガキ…大丈夫かな。大きな怪我はなかったけど」

キッチンにある小窓から今だ振り続ける雪を見ながら、さっき拾った子供を思い出す。
恐らく10歳近くの子だと思うが、それにしても痩せていた。
顔色も悪く、一度戻って町の医者に診てもらおうかと考えたがじじいが大丈夫と言い張るので不安になりながら連れてきた。
残念ながら医学に通じてはいないので人生経験のあるじじいに頼るしかなかった。
そういえば私がここに辿り着いた時もこんな寒い日だったな。
ボロボロでこの島に辿り着いた自分の姿とさっきの子供の姿が重なってしまう。
あの子もどんな事情があるかわからないが、元気になってくれたらそれでいい。

「…あ。水渡すの忘れてた」

グラスに注がれた水を持って子供の部屋に向かう。
もし起きて体調に問題がなかったら好きなものでも聞いてみよう。
子供の相手をするのは苦手だが。

「うおっ!」


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