箱庭の楽園
2024/01/01 20:20
01/01


はあと吐く息が白い。
昨夜突然リムサの宿屋に連れてこられた挙句、朝4時に起こされ、無理やり海に連れてこられた。
まだ起きていない体はガクガク震え、目もまだろくに開いていない。
呼吸をする度冬の潮風が鼻をツンとさす。目の前の男は平然とした顔で水平線を眺めていた。
早く帰りたい。それがサンソンの心情だった。
「ほら、日の出だ」
水平線から顔を出す太陽が眩しい。目に差して痛いくらいだ。
「明けましておめでとう、ってひんがしでは言うらしいぞ」
ああ、今日は新年か。
「今年もよろしくな、サンソン」

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