ザアザアと激しい雨を聴きながら、ギドゥロは非番だった為、鼻歌を歌いながら夕飯の支度をしながらサンソンの帰りを待っている。
すると、ドンドンドンと激しくドアを叩く音が聞こえる。急になんだ、無粋なやつだな……と思いながらドアを開けると仮面をつけた鬼哭隊の──確かサンソンの部下だっただろうか、見覚えのある顔が息を切らしていた。
「突然すみません!」
「どうした」
「サンソン大牙士が──」
部下の言葉を遮るようにギドゥロは付けていたエプロンを投げ捨て、傘もささずに鬼哭隊の兵舎の方へ向かった。
サンソンに何があった、と聞きたい気持ちよりもすぐに駆けつけたいという気持ちの方が強かった。伊達に鍛えていないギドゥロは全力で走り抜けた。
兵舎の中の一室のベッドにサンソンは寝かされていた。大怪我でもしたのか、と焦っていたが、見たところか腕に包帯が巻かれている以外何も無かった。が、サンソンは酷くうなされていた。顔が真っ赤になり、息切れが酷い。
「何があった……」
ギドゥロはやっと落ち着き、振り向いた先にいる駆けつけてくれた部下に問う。
「はっ。モルボルの殲滅中、隊員を庇い、腕に怪我を負われ、その隙にモルボルの吐き出した液を浴びられたと報告を受けております」
一応大事には至っていない、が、医師によると熱もそこまで高くないという。だが、顔が無駄に赤いのは何故だ……?
「ギ、ドゥ……ロ」
微かに目を開けたサンソンに呼びかけられ、手を握った。反応もある、一安心し、胸を撫で下ろした。
「ギドゥロくん、君は彼と同棲中かね」
医師が突然そんなことを聞いてきた。唐突な質問にポカンと拍子抜けた顔を見せた。
「ま、まあ……そうだが」
「うん、なら家で看た方がいい。お互いのためにも」
なんの事だか、とギドゥロは眉間にシワを寄せつつ、医師の言葉通りにサンソンを背負い、サンソンの部下に荷物と傘さしを手伝ってもらい、2人の家に帰った。
そしてギドゥロは医師の先程の言葉の意味を知ることになるとは思ってもいなかった。
──帰宅後、サンソンを布団に寝かせ、色々取りに行こうとすると、サンソンに手を捕まれた。
「ギ、ドゥロ」
「どうした……」
「熱い……」
熱い、とは言うがさほど高熱でもないので、医師は大丈夫だと言っていたはずだが……
「……欲しい」
「……? 」
「ギドゥロが、欲しい」
サンソンの突然のお誘いにギドゥロはギョッと目を見開き固まってしまった。
サンソンは握ったギドゥロの手を自分の股間に持っていく。サンソンの言葉に固まったギドゥロは
されるがまま、サンソンのそこに触れた。すっかり隆起したそれにまた驚かされる。
まさかとは思うが、サンソンがかけられたモルボルの液体は──媚薬効果なのか……?
苦しそうなサンソンを放っておけないという気持ちもあるが、それ以上に滅多にお誘いしてこないサンソンのお誘いを断るなんて添え膳食わぬはと言うやつだ。見てるこちらまで発情しそう、というかしている。こればかりは致し方ないということで、後で怒ってきても知らないフリをしよう。
そう決めたギドゥロはサンソンの服を手際よく脱がせていった。
一糸まとわぬ姿になったサンソンの姿は何度見ても見惚れるものだった。同じ男とは言えど、種族が違う。それと槍を扱う人間だからこそ全体的に鍛えられた筋肉も意外と柔らかく、触る度に心地がいい。
まずは額に、頬に、唇を落としていく。口付けた時の音と同時に感度が増してるのかサンソンも口付ける度に声を漏らしていた。
1つひとつ丁寧にギドゥロはサンソンに唇で触れていく。時々舌を這わせてサンソンの体を味わう。耳で舌で、そしてサンソンの匂いを全て感じ取る。もちろん片手は寂しがりで恥ずかしがり屋な彼の手と繋いで、空いた手でさらに肌で触れ合う。
ビクビクと腰を震わせ、声を漏らすサンソンはいつもに増して艶めかしい。自身は腹につくくらい反り立ち、愛液を垂れ流している。足をモジモジさせているのはいつもギドゥロを受け入れている場所が疼くのだろう。だが乱雑に扱っては粋じゃない。焦らしはサンソンを味わう為にしている事なのだ。
「んっ、んっ……」
ギドゥロと繋いでいない手の方の甲で口元を抑えて声を押し殺そうとしている。
ギドゥロは全身に口付けを終えると今度は手で全身をゆっくりなぞった。まるでハープを弾くように、音楽を奏でるように、サンソンの体を余すことなく。手で愛撫を終えれば、今度は胸の突起を口に含み、舌で転がした。
すると腰がサンソンの跳ね上がる。押し殺した声も押し殺せないくらいに声量が上がっている。
触って欲しいのか、そろそろ我慢できなくなっているサンソン自身に手を伸ばし触れた。──その時
「んっ!んんんんっ!!」
サンソンはビクビクと跳ねて欲を吐き出した。
えっ、とギドゥロは今日何度目かの驚きに戸惑った。
──感度良すぎじゃないか?
ただ触れただけなのに、達した(その前に焦らしていたのはあるが)。
こりゃ、キツイな……と達して目の前がチカチカしているだろうサンソンに目を配り、「すまねぇ、我慢させて」と申し訳なさそうに言うが、ギドゥロも、我慢できなくなってきたのでそろそろ本番にしようと自身を取り出し、サンソンの秘部に宛がった。
サンソンは普段1、2回達すれば満足する方なのだが、今日に至っては3回目の絶頂を迎えそうにある。
挿入は正常位でしていたが、サンソンが珍しく対面座位がいいと言い出して、自ら腰を振っている。
何度も言うが、これは珍しいことなのだ。
サンソンはギドゥロの首に手を回し、自分で上下に動いていい所を攻める。
「あっ、あっ、んんっ……」
ギドゥロとしてはこれはこれで気持ちいいものがあるので良しとしている。何よりいつも恥ずかしがってまともに顔も見せてくれないサンソンが無防備に、しかも自ら腰を振っていることがとても嬉しくて堪らなかった。
「っ……ふ、んっ……」
サンソンからのご奉仕にギドゥロは何もかも持っていかれそうになっていた。サンソンが可愛くてたまらない。
「サンソン……」
「あっ、あっ、な、に……」
「中に出していいか……」
ギドゥロもさすがに限界を迎えていた。サンソンは腰を一度止めて、口付けた。
「……いいよ、だして」
その瞬間ギドゥロの何かがぷつりと切れた。
「あっ、ちょっ、まっ……! 」
「待たない」
ギドゥロはサンソンの腰を掴んで下から激しく突き上げる。突然の激しいピストンにサンソンも呆気なく達した。が、理性が飛んだギドゥロはそんなことなどお構い無しにピストンを続ける。
「まっ、て、ギドゥ、ロ…おれ、いっ、たぁ! 」
「知らねえよ。お前が可愛すぎるのが悪いんだよ」
喘ぎ声は悲鳴に近い。いつもよりも高い声で鳴く。サンソンは達したのもあり、尚更ギドゥロを強く締め付ける。それが余計快楽になっていると知っていても。
「くっ……きっつ……」
「ギドゥ、ギドゥロ…やら、またっ」
舌足らずになったサンソンはギドゥロに抱きつくことしか出来ない。ギドゥロはサンソンの名を呼び続けた。サンソンにとって、ギドゥロの声は心地よく、そして脳を溶かす媚薬なのだ。
「ギドゥロ」「サンソン」と互いの名を呼びながら2人は同時に果てた。
「……悪かった」
次の日の朝、動けずに狂犬のように睨みつけるサンソンにギドゥロは反省していた。が、半分は自分で動いていたので、全てギドゥロが悪い訳では無い。
「……飯」
「えっ」
「ギドゥロの飯が食いたい……」
それと同時にサンソンから腹の虫が鳴る。昨日討滅に行ったっきり、何も食べていないのだ。
「仰せの通りに」
ギドゥロは口角を上げてサンソンの額に口付けを落とした。