━━━━━━━━━━━━━━━
「今日の試合も最高だったね〜! 」
アルカディア控え室にて椅子に座り待機していたやけにテンションの高いうさぎの男。部屋に入ってきた金髪の女性、ハニー・Bを見るなり立ち上がり近づくが彼女は無視をする。
「ハニー・B? なぁに拗ねてるんだい? 」
「うっっっっざ」
無視を決め込むも、さすがに近距離背後でウザ絡みされてはたまったもんじゃな。男─ダンシング・グリーンのみぞおちにエルボーをかます勢いで振り向く。しかし彼もクルーザー級の闘士ゆえにひらりと踊るように躱す。
「可愛い顔にシワが寄ったらもったいないぞ☆」
「絡んでくんな」
可愛いアイドル女王蜂を売りにしている彼女の本性は口が悪い。いつもならキャピキャピとぶりっ子をしているのだが、そんな余裕もなかった。
舌打ち、睨みつける姿は可愛さの欠けらも無い。
だがダンシング・グリーンは諦めず話しかけてくる。
「キュートな踊りもいいけどさ、たまには俺みたいなノリノリなダンスもしてみようぜ」
「なにそれ」
ダンシング・グリーンの誘いにハニー・Bは冷たくあしらった。
「あんたのバカみたいなダンスとか嫌なんだけど。てかまじで話しかけないでくんない? 」
「ん〜でもさぁ、可愛いからついつい話しかけちゃうんだよねぇ〜」
ダンシング・グリーンの「可愛い」という言葉に一瞬動揺したが、ハニー・Bはすぐ我にかえり「当たり前でしょ、私はみんなのアイドル、ハニー・B・ラブリーなんだから」と腕組みし、ツーンと顔を背ける。
「そうそう、じゃあさ」
ダンシング・グリーンはハニー・Bの前に跪いた。
「俺と踊らない? 」
急にいつものチャラい雰囲気が全くなくかしこまった口調で手を差し出した。ハニー・Bはそれをチラリと見てほんの少し顔を赤らめ手を差し出した──……
パチーンッ!!
「痛ってぇ!!」
「ふん! 」
手を強く叩き振り落とす。痛みに悶えている間ハニー・Bはズカズカと立ち去った。為す術もなく1人残されたダンシング・グリーンはこれで懲りる男ではない。すぐに立ち上がると「絶対諦めないからな〜! 」とどこかへ行ってしまったのであった。