何度経験しても慣れないことがある。
それは夜の営み、というやつだ。
オレは……英雄と呼ばれた光の戦士と恋仲になった。関係を持って1年は経ったであろう。実は第一世界にいる時も数回体を重ねたことがあった。
が、あくまでそれは水晶公としてのオレ……と割り切っているのだが、あの人はそうじゃないと言う。
「ラハはラハだよ」と優しい声でいつも囁いてくれる。
ヴィエラ族の恋人、ハルは綺麗な顔をしており穏やかで優しい人だ。どうやら随分長いこと生きているらしく、200歳くらいと本人は言っていた。
ヴィエラ族は他の種族よりも長寿だ。ヒューランの約3倍は生きるという。つまりたくさんの出会いと別れを繰り返してきたはずだ。かく言うオレ自身も第一世界、クリスタルタワーで長いこと眠りにつき、水晶公としても長く生きてきた。
「オレたち2人ともジジイだな」などと笑うとハルは「キミはまだ若い青年だ」と言われれば恥ずかしい気持ちと、本当に長生きなハルに失礼なことを言ってしまったと申し訳ない気持ちになった。

原初世界に戻ってから告白をされ、オレはもちろんOKをした。それからほどなくハルと再び熱を交わした。
水晶公としてのオレとした時は違うだろう。自分でもそう思う。
視界に映るハルの顔、聞こえてくる吐息とオレの好きな声、そしてハル自身のいい匂い、キスをした時の感触、交わった熱、全てを全身で感じ取り満たされる。
ハルの形に馴染みつつあるそこももっと、と求めている。
「痛くない? 」
「あぁ、あんたが慣らしてくれたから大丈夫だ」
本当は少しだけ痛い。だが、その痛みさえハルと繋がった証拠でもあり愛おしさが増す。
「動くよ」
ハルはオレのことをじっと見つめて腰を振る。ゆっくりと様子を伺うように、オレにとっては焦らされているようで。
ハルは優しいからオレが痛くないようにしてくれている。その気持ちが嬉しいが本当はもっと痛くしてくれていい。あんたがオレで気持ちよくなることが何より嬉しいんだ。
そう言いたい気持ちをぐっと押し殺し、ハルのペースに合わせる。
するっとしっぽを優しく捕まれ根元から先の方へ撫でられる。思わずビクッと震えてしまい、締め付ける。
が、ハルはわざとしているのだろう。何度も繰り返す。オレがしっぽで感じているのを知っているくせに。
「ハ……」
「可愛い」
優しい眼差しで微笑むハルだが、どこか意地悪だった。だが嫌いになれない。
数回しっぽを撫でると今度は腰を掴み、先程より腰を振るペースを上げる。
肌のぶつかり合う音が部屋に響く。
「っあ、んっ」
漏れ出る声を塞ぎたかったが、そうするとハルは腰を止めてしまうから我慢した。正直自分からこんな声が出ることがすごく恥ずかしい。枕で顔を隠したい。
「気持ちいいよ、ラハ」
オレの欲しい言葉を知ってか伝えてくれる。素直に嬉しい。オレも気持ちいい、と伝えたいが言葉にするのを躊躇った。
「っ、は、んっ……ハ、ルっ……」
「ん? 」
ハルは体を乗り出して顔を近付ける。前に乗り出したことでぐっと奥まで挿入され、気持ちよさが増す。
「キス、し……てほしいっ」
もっとハルを感じたい。口が寂しい。もっとあんたを嗅がせてくれ。そう願えば応えるように優しく口付けてくれる。
オレはハルの首に手を回す。すると腰を打ち付けるスピードが早くなる。
「んっ、んんっ……! 」
パンパンと激しくぶつかり合う。中もハルのものでめちゃくちゃにされる。
「んぅ、んっ、はぁ…んっ……」
貪り合うように口づける。オレも思わず腰を振ってしまった。
満たされる。五感全てをオレの愛する人に支配される。なんて幸せなことだろうか。
互いを激しく求め、2人同時に絶頂した。
が、ハルの熱がこれで収まる訳もなく、すぐに第2ラウンドが始まったのは言うまでもない。

セックスという行為は何度やっても恥ずかしい。
自分の正解が未だに分からない。
だが、ハルはどんなオレでもいい、と言ってくれるならそれでいいのだろうと納得させた。
book / home