幼馴染であるレザラから急に呼び出されたヘクトールは渋々部屋に入った。だいたいこういう呼び出しの時はろくな事がない。長年の付き合いからかそう思いながらも傍らに心配という文字も微かにあった。が、今回は案の定ろくでもないことだった。
「いらっしゃいヘクトール」
そう言って恥じらいながら振り向く幼馴染であり恋人であるレザラの姿にヘクトールは固まった。
バニーガールだ。明らかにバニーガールだ。黒いビスチェに黒の網タイツ。体幹がいいからなのか分からないが、まあまあ高いピンヒールを履き慣らしている。またしっぽがあるというのにわざわざうさぎのしっぽまでつけている(なおこれは服に着いている模様)ヘイザ・アロ族なので猫耳が生えているというのにご丁寧にうさ耳カチューシャまでつけている。
ヘクトールは踵を返した。だがレザラはヒールを履いているとは思えないほど己の速さでガッシリと腕を掴んでくる。
「待って待って待ってヘクトールこれには訳があるんだ! 」
爪が食い込むほど強く握られさすがのヘクトールも音を上げる。何がワケありだか……と呆れていると、レザラは恥ずかしそうに「に、似合うかい? 」と問いかけてきたので「いや」と言葉のストレートパンチをかませば面白いほど撃沈し、膝から崩れ落ちた。
「お前が呼び出す時はほぼろくなことがねえ」
「ぼ、ボクだってこんな格好で街中を歩く訳にはいかないよ」
そりゃそうだ、明らかな変態か不審者扱いされて即お縄だろう。似合わないと言われた事実にシクシクと泣いているレザラを見下ろすヘクトール。
「で? どういう理由でそんな格好してんだ」と問いかけると、そうだったと開き直ったレザラは即座に立ち上がり、ヘクトールに向かい合う。
「今日はバニーの日だろう? 」
…………は? と内心思った。そして今日が何日か考えてみたが、語呂合わせでというならば明らかに8月2日は過去の話だ。
「もう過ぎ……」
「今日は! バニーの日だろう!? 」
にっこりと笑いながら大声で叫ばれればさすがのヘクトールもドン引きする。どうやら何がなんでもこじつけたいようだ。幼馴染のこの強情さに幾度と振り回されてきた(時には助けられた部分もあるが明らかに前者の方が多い)
「……だからエッチなことしたいなって」
「は? 」
結局それだけの為に呼び出したんだろ!?っと突っ込む気力も失った。すごく、頭が痛い。
分かったよとヤケクソで返答すれば上機嫌にしっぽが揺れている。あぁもうこういう所が敵わねぇな、と完全に惚れた弱みである事を改めて自覚したのであった。
レザラに脱がされすっぽんぽんにさせられたヘクトールはベッドに仰向けにさせられた。レザラが更にベッドに乗れば男2人の体重にベッドが軋む音を立てた。そして上に跨ると舌なめずりをし、ヘクトールの息子を握った。
「興奮しないのかい」
さすがのヘクトールでも女装は性癖に入らない。ので、今はまだ萎えている。しかし、レザラに触れらるとさすがに反応を示した。
ゆっくりと優しく触られ、その触り方がくすぐったく徐々にそれは硬さを増していく。
「ヘクトールのさ、これがだんだん勃起していくのを見るのが好きなんだよね」
それ毎回言われてる気がする。
反り立っていくそれをうっとりと見つめていた。
「もう準備してきたからいれていいかな」
「……おう」
今日は恐らく自分でしたいのだろう。ほぼマグロ状態のヘクトールは短く返答すればレザラは返事を聞く間もなくスキンを取り出しては慣れた手つきでヘクトールの物に付けていく。痛くないのはありがたい。
丁寧にスキンを付けられたそれを確認すると、レザラは腰を上げ、自身の股間に手を伸ばす。そしてチャックを開く音が聞こえた。
「せっかくだからトイレが楽なものにしておいて良かったよ」
さすがのヘクトールも気にはなっていたようで、顔を上げてレザラの下半身を見る。
股間の部分にチャックがついており、それが開かれていた。レザラ自身の所までは開かなかったが、実質的に着衣セックスになるのだろうか?などと変なことを考えてしまった自分が気持ち悪く、頭を振る。
レザラは反り立ったヘクトールのそれの上に跨ると腰をゆっくり下ろしていく。
「んっ……」
慣らしたとはいえど、久々だからか痛いのだろう。挿れてる側のヘクトールとしてはもどかしい気持ちではあるが、無理やりする趣味もない。焦らしを受けていると考えるようにした。
先っぽだけを抜き差しされ、だんだんイライラしてくる。ヘクトールもご無沙汰なため、腰を掴んで一気に貫きたい。そんな気持ちをぐっと堪えているだけ褒めて欲しい。
「ふふ、奥まで挿れたいかい? 」
そうやって笑いかけたレザラの顔から見るに確信犯のようで、限界を突破したヘクトールはレザラの腰に手を伸ばす。
「だーめ」
が、その寸前で手首を捕まれ、阻止される。
「てめぇ……」
「今日はボクが御奉仕するんだから、そんな焦らないでよ」
掴んだ右手を口に持っていきペロリと舐める。舐められた感覚にぞわりと鳥肌がたった。
それからレザラはゆっくりと腰を落とし、やっと根元まで入った。レザラの中は熱い。それに興奮してる自身が脈打っているのも分かった。その振動がレザラにも伝わっているのか、「興奮してる……」とゆっくりと騎乗位で腰を振り出した。
体を上下に揺さぶり、更に奥へと招き入れる。
漏れ出る声は艶めいて、興奮する材料には足りすぎている。
「ヘクトール……ヘクトールっ」
おかしな格好をした幼馴染だが、その呼ぶ声はいつもと変わらず、愛おしい。
何もするなと言われたが、そんな約束は一方的で、それを破るのがブルートボンバーである。
手を握られているが、腰を動かせば一層高い声を出す。
「んぁ♡」
「変態がぁ……」
わざわざ女装してまでセックスするなら普通に呼び出せばいいのになんて考えながら我慢してた分容赦なく腰を突き上げる。
グポグポと音を立てる度にレザラは喘ぎ声を漏らす。
壊れた玩具のように声を漏らし、ヨダレを垂らし、揺さぶられる体に中を犯され、朦朧としているのだろう。だが、まだ終わらせない。
「ひぅ…! 」
ここに欲しいんだろ、という余裕も無くなってきた。ヘクトールは最奥の入口をノックする。
「らめっ、そこっ」
ダメと言いながら締め付けるのは誰だろうか。
太く長いヘクトールの自身は部屋に入ろうと何度も突き上げる。興奮しきったヘクトールは言葉も忘れ、吐息混じりに必死に腰を振った。
「あっ、そ、れ、ぁ」
無理やりこじ開けられ、目の前が弾ける。それと同時にレザラは白濁を収めていたビスチェの中に吐き出す。ビクビクと全身を震わせ絶頂に浸る中、ヘクトールはやめることはない。狭い中を抉るようにピストンし続ける。
「んがっ、あっ、ひぅ……」
イキ地獄を味わうレザラは半分気絶していた。白目を向き、体の力が抜けていく。そして、意識が途切れる前に感じたのは中で脈打つ感覚だった。
次に目を覚ました時には素っ裸で寝かされていた。
レザラは痛む腰と尻をさすりながら起きるとそこに既にヘクトールはいなかった。
だが部屋を見渡せば丁寧に畳まれた衣装一式だけがそこにあった。
「気持ちよかったなぁ……」
ヘクトールはやっぱりああいうのが好きなのかな、などと笑えば街のどこかでくしゃみが聞こえたのであった。