▼うちよそざっくり紹介
べゼ:20代褐色ヴァイパーシェーダー。悪行を働き、悪運もい(ムカつくほど痛い目を見ない)性格も悪いがアクアの前ではいい子ぶってる。よく恨みを買っている。アクアのことはとても気に入っており独占欲が働く。また純粋無垢なのを分かってて変なことを吹き込んでいる。

アクア:30歳シャーレアン系フォレスター。賢者と学者の間に生まれた生粋のヒーラー。シェーダーにもいい人がいるという父親の言葉をずっと信じているピュアなお兄さん。人を疑うことを知らない真面目ゆえの天然。敬語さん付け。余談だが先天的両性具有症(男性器が小さめ)

※受け(アクア)がモブレに遭います

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出会いは最悪な時に訪れた幸運だった。
いつものように他のシェーダーたちをからかって遊んでいた日のこと。肩に突き刺さった矢に毒が仕込まれていた。
悪運だけはいいことは自覚しているがこれは不覚だった。中央森林のヤーゾンたちの群がる暗い水路で座り込んでいた。
矢は引き抜いたが、痺れがする。クソッ、最悪だ。などと悪態ついていると人影が視界の端で見えた。
(追っ手か……?)
熱を帯びてきた患部がジクジクと酷く痛む。少ないが出血もしていた。痛む肩を押さえつけながら動く左手で刃物を構えた。
「……! 大丈夫ですか!」
動いた人影は俺を見るなり近づいてくる。どうやらフォレスターのようだ。が、グリダニアでは見ない顔だった。シャツとベストとネクタイというきっちり着込んだ姿の男は濡れることも厭わず俺の元へ来るとしゃがみこんで、怪我を見るなりエーテル回復し始めたのだ。
「……なんだお前」
「これはどのように負傷を? 」
俺の問いかけを無視して逆に聞いてくる。なんなんだこいつは、と思いながら俺は素直に話した。
「矢毒だ……」
「毒ですか……」
男はふむ、と考え込んだ。見ず知らずの……しかもシェーダーに手を貸すなんてこいつは相当な変わり者だ。エーテル回復をする手を払い除け、「余計な世話焼いてると痛い目見るぞ」と立ち上がろうとするが、男は制止した。
「ダメです。歩けば毒のまわりが早くなります。すぐ終わらせます」
「……」
俺はこの男興味を持ってしまった。手にしていた杖をしまうと今度は見たことの無い浮遊する武器を取り出し、エーテル回復しつつ、何か取り出し小さな注射器で腕に刺した。しかも痛くない。
止血すると懐から薄く大きいハンカチを取り出すと腕にキツめに巻いた。
「1時間ほどしたら解いて大丈夫です。あまり長く縛っていると今度は麻痺してくるので」
治療が終わった頃には感覚も戻ってきており、痺れも治っていた。
「……お前は……」
名を聞こうとする前に「失礼します」と一言残して颯爽と去っていってしまった。
なんなんだあいつは……と呆気に取られていたが、逆に面白く思ったのだ。
やっぱり俺、ツイてるわ。
しくじった先に面白いやつを見つけた幸運、悪運の高さはやはりあった。
今度こそ俺が見つけ出す、そう決めた数日後に再会した。

幻術士ギルドに出入りしていたところを発見するなり向こうに気づかれた。そして驚いた顔をしたかと思えばこちらに寄ってくる。
「この前の方! 怪我は大丈夫でしたか」
「ええ、この通りですよ。それにしても先日は失礼しました」
「いえ、怪我をして気がたっていたのは、分かっていますのでお気になさらず」
天使か──とべゼは完全に惚れた。
綺麗な顔をしているし、シェーダーにも臆せず接してくれる彼にとても興味を惹かれた。薄い水色の瞳も綺麗で、べゼはより欲しくなった。
絶対に俺のものにする、と固く誓った。
それからべゼはアクアと共に行動する事が増えた。アクアとしても心配だったのと彼にとって友人が増えたことに対し嬉しさを感じていたのだろう。アクアはとても鈍感ゆえにべゼの悪い噂など耳にしなかった。

2人が交流し、数ヶ月がたったある日のこと。
アクアが行方不明になった。べゼは必死に探した。そして見かけた情報を頼りにたどり着いた先に数人のシェーダーに囲まれたアクアを見つけた。
「べゼ……さ、ん……」
「ちっ、来やがったか」
囲んでいた男1人が舌打ちする。
アクアは服を完全に脱がされ素っ裸だった。しかも、1人が彼と結合している。また彼の体に掛けられた精液も相まってイカ臭い。
俺のものに手を出すな、という怒りに満ちべゼは双剣を握り、丸腰の彼らに斬りかかった。

複数人相手でもべゼの圧勝だった。息を切らし、深く呼吸をするとアクアのことを思い出し、彼の元へ駆け寄り服をかける。
「べゼさん…大丈夫ですか」
「キミの方が心配だ」
べゼは強く抱き締めた。アクアは大丈夫です、と微笑む。殺しこそはしなかったが、気絶し伸びたシェーダーたちを他所にアクアを姫抱きし、その場から離れる。
「何があったんだい」
「いえ…単に彼らの仲間が怪我をしていた……と言われて連れていかれたら襲われました」
べゼはため息をついた。鈍感で優しすぎる彼らしいと言われればそうだが、もう少し危機管理能力をつけてほしいものだが。
だが……それでもキミはきっと言うのだろう。
「シェーダーにも悪い人はいません、怪我人がいるならば、誰でも手当します」と。
一番悪いシェーダーは誰だろうな、と自嘲するように笑ったべゼだった。
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