お前が思っているよりずっとずっと、俺はお前が好きなのに。

「沖田隊長! 見廻りの時間ですよ」

昼寝真っ最中の俺の肩をなまえががくがくと揺らす。誰よりも先に隠れた場所だって見つけてしまう。けれどなんだか照れくさくて、助手席でもう一度寝てしまう、意気地無し。ふたりきりって、何を話せばいいんだ。

「…沖田隊長は見廻りのとき、いっつも寝てるんですか?」
「いっつもサボってる」

なまえの嫌な視線が寄越される。お前とのときは、寝てはいるがサボってねえだろ、とは、言えない。アイマスクを上げる。外は眩しい。

「腹減った」
「…いま十五時ですよ」
「その辺で停めろィ」
「サボるんですか!」
「お前にも奢ってやりまさぁ」

なまえは躊躇っているみたいだから、横からハンドルを掴んだ。慌てて、分かった分かりました、と駐車場へ向かって左折。本当は隣を歩きたいけど、さっさとパトカーを降りファミレスに向かう。待ってー、と叫ばれたから止まってやった。呆れた顔で振り向けば、振り回してるのはまだ俺。

「あっ、坂田さん」
「ん? なまえちゃんじゃん。なに? おたくらデキてるの?」
「やだなあ、ちが」
「そうなんでさぁ」
「なぁんだあ、残念」

ちょっとイラっとしてなまえの手をひく。あのニヤけてる顔殴りたい。

「たい、隊長、手!」
「いいだろィ、減るもんじゃねーし」
「いやまあその、そうですけど…」

可愛い。土方にも旦那にもやるもんか。そんななまえはさっきから、メニューをぱらぱらし続けている。

「好きなもん頼みなせぇ」
「えー、良いんですか?」
「俺はお前より稼いでるんでさぁ」
「む、…じゃあご馳走になります。なりますけど…」

ぱらぱらぱらぱら。

「…どっちも頼めばいいじゃねーか」
「そんなに食べられないですよう」

ティラミスかストロベリーパフェ。なまえはうんうん言いながら悩んでいる。俺は昼もきっちり食べたけどカツ丼。

「食べ切れなかったら、俺が食べてやっから。ほれ」
「あっちょっとまだ決まってない」

有無を言わさずブザーを押す。なまえは俺のを頼み、自分のティラミスかストロベリーパフェが決まらず注文が止まる。

「あとティラミスとストロベリーパフェ、いっこずつ」
「えったいちょ」
「畏まりました」

店員が注文を繰り返す中、なまえのなにか言いたげな視線を躱す。そしてもう一度ご馳走になります、と呟いた。別に、こんなん気にしなくていいのに。

「ていうか実は私、隊長がこんな優しい人だなんて思いませんでした」
「優しくねぇし」

ちら、となまえは上目遣いで俺を見た。恥ずかしくってそっぽ向く。俺の出身はサディスティック星のはずなのに。調子が出ない。だから、俺がこんなに優しいのはお前だけなんだって、早く気づけよ!





気づけよ/徳山秀典が好きすぎた結果そのいち笑